前回の、廃業する塾の意外な見分け方をご紹介した内容は、意外にも多くの反響を頂戴しました。
表面的な事象でしか判断できないエンドユーザーで終わるのではなく、お子さんのためにも、ぜひ「違いの分かる」物事の本質を見極められる親御さんであってほしいと、こうして書きながら私も思います。
神奈川県では無料無料を乱発してる大手塾のひとつが、千葉県にもどんどん拡大展開を図っているようですが、これは決して儲かっているから…ということではないそうです(ウラ情報をあちこちから入手しているので)。
なんでここまでバカみたいに拡大展開してるのか?
そうしなければならない事情があるからです。
それは何かと言えば、多くの社員の生活を守るために拡大展開して売上を上げるしかないこと。なぜなら、激戦区:神奈川ですでにその某塾が他塾にやられてばかりで、ジリ貧状態になっていますので。
もちろん、実績がなかなか出ていないのと、それだけの教務力がない?のが原因なのは言うまでもありません。その結果、
地元のエンドユーザーから見放される ⇒ でも社員の人件費は守らなきゃいけない ⇒ 次々と手垢のついていない新天地に出店 ⇒ 人材教育が追いつかず、教務力も指導力も低いまま ⇒ 結果、新天地でもエンドユーザーから見放される ⇒ その穴を埋めるために、またさらに新天地に出店…
と、完全に負のスパイラルに陥っています。
経営が順調だから拡大展開という図式ではないことは、一般的なエンドユーザーである親御さんやお子さんが見抜くのはかなり難しいかもしれませんね。
ただ、それもきっちり見抜いている「違いの分かる」親御さんのお子さんは、比例して成績も学力も高い子が多いという現実は、ある意味で当然であり、皮肉でもあるんですが…。
個人塾なんて私もそうですが、塾長ひとりで見れる範囲など、どんなに頑張っても2教場が限界です。3教場以上だと必ず塾長の目の届かない部分が発生するため、必ず専任スタッフを入れるしかないと思います。私はそういうのは嫌いなので、2教場しかやらないんです。
塾の先生の仕事は指導することなのかもしれませんが、そもそも、塾長の仕事の大半は「品質管理」です。
マンションや戸建と同じで、技術はピカイチでも、それをしっかり管理できなければ、どんどん劣化していくのが世の常。そのために塾長が「品質管理」を徹底しなければならいないんです。これが言葉でまとめられるほど、意外と簡単ではなく…だから、すぐに潰れずに長く生き残っている塾ほど、塾長の管理能力は優れているはずです。
AQURASもあと3ヶ月ほどで開塾9年を迎えます。
1年の廃業率が17%に達する塾業界で、9年やっていたら廃業率153%になっちゃいますね(笑)。ほとんど全部潰れとるやん…と我ながらツッコミながら…。
昨日は中学校3年分の英単語が全部終わっていない塾生徒の大半が呼出しとなりました。普段「勉強しろ!」なんて一切言わない塾がこうして呼び出すことの意味の大きさを考えてもらいながら、いかに呼び出しにならずに快適に過ごせるかをひとりひとりに考えてもらうのも、また大切なことだと思います。