ウチの塾も、今期はスタッフ採用に苦しみました。
東京オリンピックによる建設業の人手不足の影響で、あちこちにしわ寄せが行ってしまい、どの業界も人手不足になっています。塾業界は神奈川の四大塾のひとつが引き起こした自社運営するFC塾の残業代未払い事件によって労基署に駆け込まれ「ブラックバイト」認定されるという、塾業界全体を敵に回してくれる愚劣な労働を引き起こしてくれた悪影響が根強く、今は大学生が塾講師をしたくないという風潮になってしまいました。
そこに人手不足が重なり、アルバイトを選ぶ側は選択肢が増えた半面、いい加減で尊大な態度をとる方も増えました。おかげでウチの塾も15名連続面接バックれという過去に経験したこともない「快挙」を達成しましたが、他の塾さんも似たようなものらしく、今は生徒がいなくて塾が潰れるのではなく、講師が採れなくて塾が潰れるに変わってきました。
皮肉なことに、ウチの塾は極力残業もさせてないし、残業の場合は必ず手当を出しているので、交通費全額支給も含めて、スタッフの定着率は高いです。塾にしてもめずらしくホワイトですよねという、現スタッフからのお褒めのセリフも頂戴し(笑)、みんな長く働くだけでなく、引退してからも塾に顔を出して後進の手伝いをしてくれる方もいます。
そんなウチでも、これだけ応募者のバックれが続くと、サービス品質に穴を開けないための自己研鑽に躍起ですし、しかもウチの塾は消費税増税だろうと授業料関連は値上げする予定はないので、現状を維持するために経営者は頭フル回転が変わらずです(苦笑)。
そんなときに、とある記事が。今日はこの内容をご紹介します↓
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就職戦線“買い手市場”に激変 新卒採用は氷河期に向かう
就職戦線が“売り手市場”から“買い手市場”に激変しそうだ。
共同通信が主要112社を対象にした2020年度(20年4月~21年3月)入社の新卒採用に関するアンケート結果を発表した。それによると、採用数を19年度実績より増やすと答えた企業は23社で21%にとどまった。昨春アンケートの29%から8ポイントの下落だ。採用計画を固めた79社との比率では増やす企業の比率は29%で、昨春から10ポイントの下落。112社のうち、採用数を減らすと答えた企業は16%で6ポイント増えている。
この数年、大学生などの新卒者は売り手市場。リクルートワークス研究所によると、今年3月卒業者の有効求人倍率は1.88倍で、7年連続の上昇だった。この勢いにストップがかかるわけだ。東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏が言う。
「一番の原因は米国経済です。トランプ政権は景気が好調なように見せていたが、米国民は本当は自国の経済が力強くないと気づいた。そこに中国との貿易摩擦や英国のEU離脱問題が重なり、日本の経済界も先行きに不安感を抱き始めたのです。エコノミストからは景気のピークは昨年9月で、今は下降線との声も上がっている。厳しいトレンドの中、企業は最大のコストである人件費を削ろうとしているのです」
今後、大学生などの新卒採用はどうなるのか。
「今みたいに売り手市場の大学生が“我が世の春”に浮かれる時代は終わります。小売業やサービス業などはもう少し人手不足が続くでしょうが、自動車やメガバンク、大手商社などのグローバル企業がどんどん採用を絞るのは間違いない。これからは一握りの本当に優秀な学生しかグローバル企業に入れなくなります。学生の二極化が始まるのです。最低でもあと3、4年は採用を絞り、買い手市場の傾向が強まるのは間違いありません。今度こそアベノミクスの真価が問われることになります」(友田信男氏)
アベノミクスの失敗で就職戦線は氷河期に向かっている。安倍政権を手放しで支持していた若者が目を覚ますかもしれない。
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今年からメガバンクが新卒採用を減らし始めた話は、私も存じていました。私はロスジェネの世代:就職氷河期の時代だったので、多くの一流大卒が望んだ就職をできなかった姿を見てきました。今更、安倍政権がロスジェネ世代のテコ入れとか言ってますが、そんなに簡単にはいかないでしょう。
恐らくロスジェネ世代の生活保護受給率がMAXになるでしょうね。これにより、国の財政がさらにヤバくなることは目に見えており、恐らく生活保護受給の基準を相当厳格化してくるのではないかという算段が成り立ちます。
ここ数年の私の教え子たち(卒塾生)も、就職は良好でした。その結果、この世代はちゃんとした方も多い反面、二極化で、世の中をナメきってしまった方もそれなりにいらっしゃるようです。これでは入社してもすぐに辞めて、転職を繰り返して、どんどん給与が下がっていくだけだと思いますが…。
ウチの塾のスタッフ採用くらいで、まともに連絡もできない、挨拶もできないなど、社会常識もない方もたくさん出るのですから、社員クラスになったらゾッとさせられますよね。
あなたのお子さんの世代、令和が明るい時代であってほしいのは山々ですが、このままいけばかなり厳しい時代展開になると思われます。その中で、社会的成功をどうやってお子さんに収めさせるかは、親御さんの接し方ひとつで意外と育ち方も変わるのではと、私は確信しています。
もはや過去のマニュアルが通じない時代、真に強い者が勝ち残るのは当然かもしれません。