親御さんと懇談している中で、親御さん自身が英語を苦手もしくは嫌いなまま、この歳まで経ってしまった…という話をよく聞きます。
どうしたら英語が話せるようになるんですかね?と聞かれることもあり、私も文語体中心の英語の指導しかしてきてないのであまりエラそうなことは言えませんが、私なりの目線での「ちょっとした」アドバイスはさせてもらっています。
ただ、英会話の専門の先生にはかなわないので、そこはツッコまないで下さい(苦笑)。
そもそも、日本語では名詞が重要視されているんです。
だから、英語を勉強する際もボキャブラリー習得に傾きすぎる傾向があります。
とはいえ、ボキャブラリーがなかなか習得できなかったとしても、そこで「自分は英語が絶対できないんだ…」と、悲観する必要はありません。(塾生はもちろん別ですw)
そういう場合、英語を「学問」と捉えてしまう思考を捨てることから初めてみてはいかがでしょうか?
「え!?英語って学問でしょ?受験科目だし…違うんですか!?」
物事を考える際、その根っこの部分を見ないと、はっきりとは分からないものです。
では、英語の根本とは何なのか?
それは、アメリカやイギリス、オーストラリアとかでは、子どもから老人まで、ホームレスからお金持ちまで、犯罪者から警官や裁判官も、みんな等しく英語を話しているということ。
この、誰にでも分かるまぎれもない事実です。
「そりゃ、英語で育ったんだから、英語を話せるでしょ…」
おっしゃる通りです。
誰も苦労なく話せる。
それが当たり前の現実であり、行き当たりばったりで話せる話せないではありません。
高校生の数学や、物理や化学など、理系の学問はいくらやっても取得できない人もいれば、逆に難なく理解できる人もいます。
こうした分野は学問と言っても差し支えありませんが、言語はそうでもありません。
では、どうやったら分かるのか?
それは、5歳児や3歳児の言葉を分析することでしょうか。
日本の子どももアメリカの子どもも5歳ともなれば、大人とほとんど台頭に会話します。
彼らのボキャブラリーなど、大したことありません。
恐らく、成人の10%もないと思います。
日本語は名詞を中心にしていますから、まずは名詞を理解し、名詞だけで話し始めます。
ですが、英語というのは、動詞と前置詞で意思を伝える言語です。
「前置詞ですか?それで会話できるんですか?」
いやいや、言葉は名詞と思い込んでいるから、前置詞の重要性を無視してしまうんですよ…その結果、ボキャブラリーを増やしても、幼児の話す言葉さえ理解できず、落ち込むことになってしまうんです。
一例を紹介するならthroughと言う前置詞があります。
このthroughは、ひっつく動詞によって、意味が全く違うことになるんです。
例えば…We are through. だと、「私たち、もう終わりよ」といった、別れの言葉になるんですが、これがYou go through. だと、「行ってよし!」という、税関などで審査の結果パスしたという意味になります。
他にも、Your examination fell through.(君はテストに落ちた)といった、残念な結果という意味になるんです。
どれをとっても決して複雑な構文ではないんですが、英語は「動詞+前置詞」の組み合わせで話されていることを頭の片隅に入れてみると、意外と話すためのコツも身近に感じるのではないでしょうか?
まずは、動詞と前置詞の働きを理解することこそ、話せるようになるための大きな一歩だと私は考えています。