今月は出張続きで、出張の間だけでレンタカーを計500km以上も運転してたためか、全身バキバキでリラクゼーションサロン送りになってしまった村上です。
さて、今日はある実力派の先生は書いたブログの内容がまさにドンピシャの正論だったため、その内容をご紹介します。特に中学受験を希望されている親御さんや、サピックスにお子さんを通わせようとしている親御さんには必見の内容ですよ。
そのかわり、かなり辛辣な内容ですので、覚悟してお読み下さい↓
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今年は早くもコンサル件数が100ちかくになり、多くのご家庭を見させていただいております。以前のコンサルでは、どこの家庭でも大抵は似たような話になったのが、最近では個別性を見ながら判断できるようになりました。(ちょっと多すぎて、現在はスケジュール調整にややお時間をいただく形となっております。申し訳ございません)
このコンサルで面白いことの一つは、普段は家庭教師など必要のない、超がつく優秀層とも会えることです。できる子、熱心な子、というのは、塾や予備校はおろか、家庭教師もいらないものです。たまに方向性だけみてあげればよいのです。そこと、普通の子、できない子との比較は、僕に多くの気づきを与えてくれます。
やはり中学受験でも、上位層が分厚くなっている印象です。10年前ならサピックスのαにいそうな子でも、真ん中くらい、ということもよくあるようになってきました。最近、また少しそのあたりの認識をアップデートしたところです。少子化のはずなのに、気持ち悪い現象です。
10年前の感覚では、子供の数的にこの辺りで仕事が激減するはずで、大学受験も見れるようにしたり、音楽の方で仕事をとっていこうと画策していたものですが、むしろこちらの方が忙しいです(笑) 今の中3くらいから、また一気に子供の数は減っているのですがねえ、おかしいなぁ。
サピックスだけみても、ビルを移ったりして各校舎が生徒数を増やしています。サピに関しては、大体どこの校舎の子も見たことがありますが、内情は相変わらず、カリキュラムは今の小5からやや平易(どうせしんどいですよw)かつ分量が減る方向になっています。
これはおそらく「当たり」で、優秀な子は増えると思います。
この2月の受験生の数は、首都圏で4万7500人程度と言われています。これは公立中高一貫校が出来、かつ、ゆとり教育の不信感が最高潮だった2006から2009年までに匹敵する数です。
2008年あたりは、中学受験生が首都圏だけで5万5000人近くいったと言われており、大変な盛況でしたが、僕からすると、軽い気持ちで公立(主に都立)中高一貫校を受ける、「にわか」が単に1万人くらい増えただけの印象でした。上位層も特に分厚くはないし、いつもの通り戦っていけば良いし、予想通りの結果が出ていました。
今の流れはそれとは全く違います。ある意味、ガチの4万人です。
すっかりブログ・Facebookなどのネット・SNS文化にも皆さんが慣れ、情報がいきわたり、なんかサピックスが最強っぽい、ということでサピにどんどん生徒が流れているし、中高一貫校の良さがクローズアップされ切った印象があります。
加えて、埼玉や関東北部の中学受験熱が活発になってきており、これが母体数を増やしています。15年前は、中学受験と言えば、都内、神奈川、お試しで千葉、という感覚でした。今は、埼玉受験がかなり有効ですし、栄東・開智などの気合の入った良い進学校が台頭してきています。
僕が今、戦慄している一番恐ろしいデータは、サピックスの在籍数です(笑) 10年前は4000人ちょい程度が小6の最後まで残る生徒の数でした。
それが、この2月の子たちは5500人。過去最高でしょう。しかも今の小6はまだ6000人近くいますし、小5は6700人近く、小4は7500くらいです。「んなバカな」感が強いです。僕の商売を繫盛させてくれようとしているのでしょうか(笑)
まあ、関西に校舎ができたりしているので、その分も考慮はすべきですが。
以前のブログでも書きましたが、サピックスでは、(10クラス以上の中規模校以上での)AからCクラスでは旨味がありません。また、授業のレベルも下がるので、クラスが上がる可能性もなくなってきます。
小5後半くらいから、下位クラスからどんどん抜けていく現状があります。(よって、平均点はどんどん上がっていく)Aクラスを3カ月連続でとってしまった場合は、適応自体ができていないので、他塾に転塾することをおススメするくらいです。
ただ、これもマジックなのですが、サピックスは生徒側が行くのを嫌がらないのです。Aクラスに万年いる子でも、サピは楽しいと言っています。
これは、学校ではできない高度なことを教えてもらえて楽しいという、僕の中学受験期のような部分もあるとは思いますが、大体は、「厳しく言われないから」が主な理由です。
僕が中学受験をした個人塾(@兵庫県)では、宿題を忘れたら居残りだし、小テスト悪いと居残りだし、月1テストは80点を超えるまで再テスト何回も受けさせられたし、特に算数の副塾長(ばばあ)が鬼で授業も怖いし、地獄でした。高度なことをしている、という高揚感はあったものの、楽しいと思えたことはないです。
ただ、そのような中でも、「受かった方がよさそう」が「受かりたい」に変わり、自分から勉強をしないと伸びない状況に追い込まれます。すると、ようやく小6の半ばくらいで意識が変わり、自分からやり始めて伸び、なんとか母校に受かることができた感じです。日能研やワセアカでも、そのような子をちらほら見かけます。
これが、サピのような基本放任で、宿題をやらないと居残りがないシステムだとどうだったでしょうか。僕のような親に中学受験を強制させられただけのガキんちょは、まあまず伸びないと思います。
今のサピに当時の僕が入ったら、そこそこ計算力はあるので、まあ、東京校(30クラス前後あります)のEからHくらいをうろうろしているのではないでしょうか。(それで渋々を夢見つつ、巣鴨か攻玉社かなw その前に、うちの親じゃ経済的に持たないかも)
子供にとっての「楽しい」が、全然その子のためになっていないケースがあることに注意です。やはり厳しくて嫌だけど、意味はあるし、やらなければならない、やった方が得、でもしんどい~、というのが中学受験の醍醐味です。
サピのAからCに、3か月以上なってしまったら、いろいろ(やり方、日々の過ごし方、転塾など)再考はしたほうが良いでしょう。楽しいままでは競争には負けます。中学受験生の上位層は、驚くほどひたむきに、美しいまでに一途に努力をしています。
しんどくて厳しくていいのです。αに行く才能がないなら、厳しい他塾でも良いと思います。そこで伸びるパターンもよくあります。
そこで胆力なり、人生で使える忍耐力を学べばいいのです。それが学歴とは全く違う分野でも、活きてきます。
逆に今の子は、中学受験ほど純粋な厳しい競争にさらされることがありません。高校受験ではほぼ、成績層が分かれていて、学校の先生が「お前はここ」と決めたところ以外は受かりにくいようにできています。(特に公立校)
競争は嫌なものですが、意味は大きいです。どうせ社会では、各企業も国も、ある意味競争原理で成り立っています。その現実から子供時代だけ目をそらしたとて、弱い人間になって終わりです。
僕は10代のほぼ全部で、激しい競争にまさにさらされ、ストレスと始終葛藤し、なんとかうまく折り合いをつける方法を学んで、受験ではありがたくも勝てました。この成功体験はやはり大きなものです。
何かに挑戦するときも、挫折にある意味慣れておりまして(笑)、「どうせ一筋縄ではいかない」が前提になっており、「10年くらい頑張ってみよう」が基本です。
ほとんどの方がどのジャンルでも、3年も経たずに辞めていきます。(受験ブログ一つをみてもそう。僕は10年更新し続けているが、そのようなブログはほとんどない)
継続力や努力の要諦・要点、自分流の何か、その原点を受験で学んでほしく思います。
また、サピックスで在籍数が増えたからと言って、同じ率で上位層がでるわけではない、ことも付け加えておきましょう。生徒数が増える=良い先生に当たる率が減る、なのです。良い先生を下位クラスにあてだしたら、終わりが始まります。(まあ、怖い予言w)
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まさにその通りすぎて、私も笑うしかないくらいのドンピシャな話でした。私の周りの塾長関係者も同じようなことを言っていますが、問題なのは、親御さんが良い情報ばかりを切り取って塾や学校の選択をされているケースも多いです。
物事には、必ずオモテとウラ、光と影が存在します。
どちらも都合よく…などの展開にはなりません。
そういう点で、このブログの記事がひとつの選択肢を提示してくれたと言っても過言ではないでしょうね。