ウチの自立学習のやり方で、中学校でも5科学年1位が出せるところまで指導の枠組みを構築してこれたウチの塾ですが、塾生ひとりひとり次なる目標に向けて気持ち新たに取り組んでいます。
ここ最近は塾生の親御さんとの懇談で、親御さんの悩み相談が少なくないのですが、皆さん肩の力が入っているのか、お子さんのモチベーション引上げに対して逆効果のことをされている方もいらっしゃいます。
お子さんを命令で支配しようとしたり、お子さんに親御さん自ら勉強を教えようとして躍起になる方もいますが、全部悪影響です。力でお子さんをねじ伏せようとしても、お子さんが親の意のままその通りに動くわけありませんので。
プレジデントオンラインに私もとてつもなく共感する内容の記事があったので、今日から数回に分けてご紹介します。お子さんとの距離感に悩んでいる親御さんは、少し長いですが、ぜひご一読下さい。
————–
「ドン底」から東大に合格する人はどこが違うのか。不登校になった、英語のbe動詞がわからない、2ケタの筆算もできない……。小中学校時代にそんな挫折を味わった4人の東大生に話を聞いたところ、4人には「親のあり方」にある共通点があった――。
■どん底から東大へ。子供を飛躍させる親には共通点があった
子育ては、たいてい親の思うようにいかない。
———-
・勉強をせず、親に隠れてゲームばかりやっている。
・習い事は続かず、何事もがんばることができない。
・高い塾代をかけたのに、受験では第1志望校に不合格。
・朝、自分で起きることができず、あげくの果てに何年も学校に行けなくなる――。
———-
わが子がそんな負のスパイラルに陥った時、親はどうしたらいいのだろうか。
雑誌『プレジデントFamily2019秋号』では、特集「東大生184人『頭のいい子』の育て方」の中で、現役東大生4人に「僕たち私たちががんばり続けられた<親の言葉>」というテーマで取材した。彼らは一様に挫折を経験し、優等生とはいえない小中学生時代を送った東大生だ。
中学で不登校になり、英語のbe動詞もわからない、2ケタの筆算もできないという、精神的にも学力の面でも「どん底」を味わった人もいた。
だが、彼らはそこから這い上がった。
このままでは終わりたくないと奮起して、努力を続け、日本の最難関である東京大学に合格。いまは、それぞれに夢を追いかけている。優等生でなかった彼らが、飛躍できた理由は何なのか?
取材をしてみると、その親たちには「共通点」があった。子供をどん底から救い出し、飛躍させた親たちの価値観や接し方を紹介したい。
■POINT1「ダメな子供も、ありのままを受け入れる」
今回、4人の東大生とその親を取材して強く印象に残ったのは、多くの親が「そんなんではダメでしょ」とつい小言を言ってしまいそうな状態でも、わりと放置していたということだ。
小学3年生の頃にいじめをきっかけに人間不信に陥って以来、「ゲームがお友達」状態になった山越遼一さん(文学部4年生)。勉強そっちのけでゲームばかりしていたことを、共働きで忙しかった両親も気づいていたが、ゲームを取り上げたり、頭ごなしに叱ったりしなかったという。
母親は私たちの取材にこう話した。
「親が叱って勉強を無理にさせても、意味はないですよね。『自分の人生なんだから、自分で責任を持って決める』というのが、うちの教育方針。ゲームをやりすぎているなとは思っていましたが、本人が気づくのを待っていました」
教養学部1年生の指原佑佳さんは、飽きっぽい性格で小学生時代、どんな習い事も長続きしなかった。でも本人がイヤになって辞めても、そのこと自体で叱られることはなかったという。その代わり、両親からこんな声をかけられたそうだ。
「続けることで幸せじゃなくなるなら、やらなくていいよ」
勉強をするのも、習い事をがんばるのも、本人次第。父親も母親も、親が押し付けてできることではないという、ある種の割り切りを持っていたのだ。
■「まともに学校に行けないなんて、僕は生きている価値がない」
さらに、学校に行けないという深刻な状態でも、「あなたはそのままでいい」と受け入れてもらったと語るのは、教育学部3年生の小川護央さんだ。もともと母親はしつけなどに厳しい人だったが、中学に進学すると友人との関係がギクシャクしたことがきっかけで学校に行きたくても行けないと苦しんだ。「まともに学校に行けないなんて、僕は生きている価値がない」。そう言って泣き崩れる護央さんを見て、「あなたはあなたのままでいいんだよ。ただ、生きて笑っていてくれればいい」と繰り返し伝えてくれたという。
この言葉は、不登校に苦しむ息子を救いたいという極限状態で発せられたものだ。結局、彼は高校浪人してトータル3年半以上、ほとんど学校に行けずに自宅で過ごすが、その間に母親は登校を焦らせることなく、言葉どおりに「ただ生きて、笑ってくれればいい」と支え続けた。
彼らは皆、このあとに自分自身で「変わりたい」と思ったり、勉強の楽しさに目覚めたりして、アクセル全開で努力するようになる。アクセル全開でがんばるには、心のエネルギーが満タンになる必要がある。
今回取材した親たちは、「ダメ」な状態の子供を必要以上に叱ったり、干渉したりせず、ありのまま受け止めた。だから、ただでさえ落ち込んでいる子供のエネルギーを余計に削ぐような失敗はしなかった。そして、親はただ普通にごはんをつくり、会話をする日常生活を送るなかで、子供たちは努力するための心のエネルギーを、十分に蓄えることができたのだ。
————–
教育に熱心な親御さんほど、実は、間違いを起こす傾向にあります。上記の文面の通り、お子さんに最大の教育的効果を発揮させようと思うのであれば、それは学問を詰め込ませることではありません。
ウチの塾もテストで成績を取らせることが主目的ではなく、自己管理と「心」の書き換えに時間を割いているわけですが、それでもこうして各中学校でトップクラスを取ってくるお子さんが出るわけですから、そういう点では上記の文面の方法論に限りなく近いです。
国内のほとんどの塾が点数を取らせることに躍起になり、志望校に合格させることに命を燃やしている中で、ウチは敢えてその路線は採らずに超独自路線であるマインドや自己管理の手法を採りますが、これは高校受験から先の人生を見越して賢く生きていける人材に育てるための考え方です。
皮肉なことに、そのやり方で十分結果が出せることも今回の学年1位連発で証明できてしまっているわけですが。
なので、目先の点数だけで物事を判断するご家庭はほとんどいらっしゃらないですし、そういったやっつけ作業満載でやらされ勉強をしてきた子は、いずれ時間の問題でガス欠を起こして燃え尽きます。ほぼ例外なくそうなっていますね。
物事を長期的に見れる親御さん、世の流れを見極めることができる親御さん、人間の本質が何なのかを考えられる親御さんに支持してもらえていることに感謝しつつ、ウチの塾はさらなる主体性を持って行動できる人材に育てていこうと思います。
次回、この続きです。