相当長い日数、ブログの更新ができていませんでした。
冬期講座のお申込み数も多く、面談も殺到して、親御さんの話もじっくり聞くために時間を十分にとってお話をさせてもらっているので、詰め込みすぎで殺人的スケジュールを過ごしてました。読者の皆さん、申し訳ない。。。
ということで、今回は村上が「本気で」ブログ書きます。
少し長いですが、読みたい読者の方だけ読んでくれれば結構です。
この数日、どう見てもウチのH.Pを熟読されてない親御さんからの入塾問い合わせが何件もありました。
ウチの塾は勉強を通じて人を育てる寺子屋です。お子さんを強く賢く「どこに出しても恥ずかしくない子」に育てると理念を掲げており、定期テストの毎回毎回の点数に一喜一憂する親御さんは向かないですよと記載しているのですが、そういった親御さんからの問い合わせメッセージが一気に固まって押し寄せてきました。
どの内容も類似点ばかりで敢えて取り上げる必要性にも駆られませんが、正直、私自身も驚いた文面もあります。例えば、
「塾に通わせて1ヶ月経ちましたが、点数が全然上がりません。この塾にお金かける意味がないと思います」
「今の塾に通わせて2週間経ちましたが、30点しか点数が上がっていません。この塾、どうかしてますよね?」
みたいな同調を求める文面だったでしょうか。
正直、開いた口が塞がりませんでした。
塾での成果など、最低1年くらいは長期的視点で経過を見ないと、お子さんに合っているのか否かの判断はしにくいです。2週間通わせるだけで30点も上がっているのなら、相当良い方だと私なんかは思いますけどね。
そもそも、どのくらいの点数を上げれば親御さんは満足なんですかね?お子さんが全然ロースコアな状態で入塾してきたのに、親御さんが望むハイスコアを叩き出すクラスの仲間入りをさせたいんですか?できなくはないけど、相当時間かかると思います。
例えば、株の売買でもそうですが、デイトレードのような一瞬の短期売買で大きな利ザヤを叩き出すのは不可能です。こづかい程度の稼ぎの利益でよければ十分可能ですが、大きく利ザヤを確保したいのであれば、フツーに考えれば、株の長期的保有が前提であることは言うまでもないくらい分かる話です。
成績に関する話も、それと同じこと。
たかだか2週間や1ヶ月で、あなたの望むお子さんの結果になる確率など、たかだか知れています(すべてムリではありませんが、ほとんどいません)。
そもそも、親御さんの望むお子さんの成長曲線と、お子さんが描く実際の成長曲線の速度が一致するなんてことは、絶対にあり得ませんし、そもそもムリです。親御さんが、お子さんが気づいて前進するのを辛抱強く待つしかないんです。
そんなウルトラマン顔負けの速度や、カップラーメンにお湯入れて3分で食べれます!みたいな流れに子育てが進むのであれば、そもそもこの国に塾など必要ありません。お子さんの成長速度や方法論に正解がないからこそ、世にこれだけの塾が存在するんです。
お子さんを育てるというのは、長期的な視点における親の戦略的忍耐(アメリカのオバマ前大統領も言ってましたよね)と、お子さんとのコミュニケーションにおける観察や分析が不可欠です。
親御さんがお子さんの前でしゃしゃり出ていくケースで、まともにお子さんが育った話などまず聞きません。この手のケースのほとんどが、いずれ親子間における強烈な摩擦を生み出します(中学受験をテーマにした『二月の勝者』という漫画では、意図的に塾が親子間の摩擦を引き起こさせて、親子を受験に駆り立てたというエピソードもありましたが)。
目の前のことしか見えない、目の前のテストの点数に固執し、一喜一憂する。そして全体の流れが見えず、お子さんに点数が上がらないことだけを責め続ける…そんな短期的視点の親御さんのお子さんが、成績が振るっていない、大して上がっていない…などというのは、別に驚くことでもありません。最初からそうなることは分かり切っているからです。
ウチの塾で結果を出している大半の塾生も、やはり半年~1年以上かけて徐々に伸びてきます。反抗期真っ只中の、天上天下唯我独尊の塾生も3年間我慢し続けてようやく伸び始めたくらいです。
お子さんの成長速度や、そこに向かうまでの気づきは、当然個人差があるわけです。その
部分に気づいている親御さんのお子さんは、徐々に徐々に大きく伸びてきますね。
そもそも、成績など比例のグラフみたいにずっと上がり続けるなどということはあり得ません。株価のようにジグザグ繰り返しながら、最後に伸びていればよいと私は考えるので、余計に目先の点数に血眼で固執されている方を拝見すると、痛々しく思えてしまいます。
ある程度、オトナとしての成熟した達観視をされている親御さんの方が、お子さんの結果もうまくいくと思いますよ。
それに、すぐにでも結果を出せ!とおっしゃるのであれば、要するに、お子さんに「一切、失敗をするな」と言っているようなものですよね?成功以外、許さないと言っているようなもので、そんなのは人間である以上、誰だって不可能です。
それだけの完璧主義を求めている親御さんは、要するに、これまで人生で一度も失敗をしたことがないということですかね?自分だけは神の領域で、すべての物事を例外なく成功させてきたと?もしそうなら、コント以外ないですが。
そもそも、そんなセリフを言う親御さん自身、子どもの頃に2週間や1ヶ月足らずでご自身の成績を例外なく爆発的い上げてきたわけですか?
もちろん、されてきたんですよね?
だから、お子さんにそれだけの成果を短期で瞬間的に求めてるわけですよね?
ここまで言うと、短期的視点のほとんどの方がそんな結果を出せているわけないので、論点を摩り替えて違う角度で言葉を付け加えてきます。
「こっちは金払ってるんだ!さっさと結果を出せと求めるのは当然だ!」と。
お気持ちは分からなくもないですが、私から見れば、お子さんとの向き合い方における方法論や実践で理屈的に反論できなくなったため、そのネタに飛びつくしかなくなった…といったところでしょうか。
とりわけ、思春期のお子さんとの距離感や間の取り方は、恐らく私たちの方が熟知しています。親御さんがご自身のムチャぶりをお子さんに押し通すよりも、私たちからお子さんへのアプローチをした方が、ムリなくムダなく最短に近い速度でミッションコンプリートに達する可能性が高いです。
余談になりますが、東京目黒や千葉県野田市の児童虐待死など、父親が完璧主義を求めたあまり、思い通りに子どもが動かないと殴る蹴るの暴行を働きましたよね。それでいて、父親は「自分は子育てに自信がある」とヌケヌケと供述しているわけです。
自分ができていないことを、子どもに求める。
子どもを力でねじ伏せれば、完璧な子どもに育つとでも思っていたのでしょうか?
子育てに自信がある方ほど、フツーは子育てに自信があるとヌケヌケと言うわけないですよ。血のつながっている親子であっても、親と子は別人格であり、個性は違うのですから、親が期待するような展開通りになる可能性は低いはずです。
それをどうやって理想の姿に近づけていくか…それを試行錯誤して、そういった子に育つための言葉がけやコーチングだったりするわけです。
さて、話を戻しますが、成績含めてお子さんに最大限の成果を求めるのであれば、親御さんが長期的視点で観察・分析し、トライアンドエラーを重ねながら辛抱強く見守るしかありません。その積み重ねが、成績的にも精神的にも、お子さんを優秀な人材へと押し上げていくわけです。
長期的な視点で子育てをされる親御さんの子が、成績を伸ばしていくのは言うまでもありません。逆は、もちろん苦戦することになると思います。
ホワイトカラーと呼ばれる層の方々のお子さんが、なぜ成績上位の子が多いのか。ブルーカラーと呼ばれる層の方々の子が、なぜ下位層を中心に形成するのか。よく考えれば、お分かりの方も多いのではないでしょうか。もちろん、それがすべてとは言いません。
上位であろうと、下位であろうと、子どもにはどんな可能性が眠っているか分かりません。
その可能性は、お子さんによっては幼少期で発掘されるかもしれない。子どもによっては中学生や高校生になって発掘されるかもしれない。分からないんですよ。私たちは、どこかに埋まっているその子の可能性を発掘するために、あらゆる角度からアプローチを仕掛けて指導に邁進しています。
だからこそ、短期的視点で子どもに対して、目に見える結果しか求められない親御さんに対して「それは違いますよ、お母さん!」とはっきり申し上げるわけです。この手のケースは、いずれお子さんも疲弊していきますから。
そして、とりあえずAQURASという塾の立ち位置に関して申し上げるのであれば、短期的視点で目先のテストの点数に固執されるご家庭であれば、むしろ来ないでもらった方がありがたいです。
目先の点数を取らせることに命燃やしてる塾さんなど死ぬほどありますから、そういった選択肢を探してもらった方が良いかと思います。
ウチの塾生はみんな長期的視点で「気づける」お子さんに育てていきますから。オトナになったとき、このような人材が新しい価値を生み出して、ハイスペックな職種とか高収入な職務に就いていくことは想像に難くありません。
最後にひとつ。話から少しズレますが。
私の母親は中卒です。ウチは母子家庭です。
公団の団地で、極貧生活の幼少期を過ごしました。
先ほど話題に挙げたホワイトカラーとブルーカラー層の話、すべてのホワイトカラー層がいつまでも豊かであるとは限らないのと同じように、すべてのブルーカラー層がいつまでも貧しいというわけでもないと思います。
前者がいつまでも成績上位でいられるとは限らないのと同じように、後者がいつまでも成績下位であるとも限らない。どの時点で気づき、行動に移せるか…それに勝るものはないのではないかと思うんです。
私はそれに気づき、そこから脱出するために猛勉強をして、あのみじめな生活から抜け出すことができました。ラグビーの清宮監督でもないですが「意識が行動を支配する」という言葉の通りに動いたんだと、今でも思っています。
塾に対して「2週間通わせてるのに全然成績上がってない!」などと文句をつける前に、どのように声がけをしたら、どのように接したら、お子さんが目覚め、成績も上がり、ミッションクリアできる子に育つかを考える方が、親御さんもストレス軽減につながるのではないでしょうか。
ウチの冬期講座、期間は短いですが、徹底的にお子さんを不自由にして考えさせるように仕向けますよ。面倒見の良さを売りにする塾さんとは真逆のアプローチになりますが、負荷をかける分、気づきも出てくることを期待したいと思います。