変わっていくグローバル社会の人物評価基準に、勉強熱心な日本人は適応していけるのかどうか。

アメリカの大学では人種差別是正の観点から、1960年代から社会で差別をなくそうとする活動や弱者を救済する措置が導入され、様々な人種に門戸を開いたそうです。

その次に、男性にだけ門戸を開いていた大学が女子学生を受け入れ始めました。ですが、人種や性別は異なっても入試方法が点数重視だからか、テストの準備が十分にできる同じような経済力を持つ家庭の子や、学力優秀な子ばかりが集まっていることが、時代の変遷とともに問題視されるようになってきたみたいで。

日本という国でも、近年では東京大学に入学する学生の家庭年収が平均に比べてかなり高いことが判明しています。
東大生の出身家庭の世帯年収は950万円超という家庭が半数以上の54.8%を占めるそうですが、一般的に見れば、この層の家庭は全体の22%あまりに過ぎません。

問題点として、自分と似たような閑居の学生ばかりが集まっていたら、視野が狭くなるばかりでなく、他者に対しての共感力や想像力も育ちにくくなることでしょうか(イジメの問題然り)。学力以外の多様な才能が集まることで、それぞれが刺激を受け合うことも多いのですから。

こういった感じで、学生の家庭環境や能力が画一的なままでは、どんなに人種や性別が多様化しても、国は繁栄していくことはない…という危機感から、アメリカでは1990年代頃から個人をテストの点数という視点のみでなく、経済的バックグラウンドや特技・社会貢献、その他のあらゆる経験値など、あらゆる角度から評価する ホリスティックアプローチ が数多くの大学や企業で導入されたとのこと。

勉強ができるだけでなく持続的な社会の発展のために、世界に色々な形で貢献できる人材を求めるようになった風潮がどんどん高まって、人材の多様化が始まりました。
現在ではSATなどの共通テストの点数を受験時に提出する必要のない大学も300校近くまで膨れ上がり、難関大学になればなるほど、共通テストの点数は参考程度というところも多いのです。

現在の人物評価の基準というのは、点数とはかけ離れたところまで来たというのがグローバル社会の現状なんだなと思い知らされます。

逆に、日本という国は、勉強熱心な親が多く、実際に日本人の学力は世界的に見てもトップクラスです。
ですが、親御さんが良かれと思って子どもに人生のレールを敷きすぎている感が否めません。

親が子どもに人生のレールを敷いてあげることで、子どもは親の言うと通りに忠実に実行する従順な良い子に育つかもしれませんが、子ども自身は幼少期から自分の本音を抑え、常に親の顔色を伺い、その希望を叶えることを優先していると、自己肯定感や主体性・柔軟性やタフネス、継続力が育つことなく、打たれ弱い子になってしまいます。

こうした子どもが思春期になり、目の前に大きな問題が立ちはだかったとき、あるいは社会に出たとき、自分の力で問題を解決して壁を乗り越えていけるでしょうか?
このような不安定な時代だからこそ、メンタルの強い子が求められていると、私は確信しています。どんな時代や状況になっても臨機応変に対応できる子が必ず勝ちあがると。

感嘆には潰れないマインド、逆境を跳ね返すタフネス、こういった能力を持つ子が時代の変化に適応し、真に幸せな自分の人生を歩んでいけるのは言うまでもありません。

ウチの塾生でも、入塾当初はこの子大丈夫か?と思われた子が、マインドセットを経て着実に主体的行動をする子へと変貌していっています。
AQURASで中学3年間生き残った奴は、大抵メンタルが強靭になる…と一部から揶揄されていますが、あながち間違ってもいないですね(笑)。

塾生たちが、強く、賢く、幸せに生きてくれることを願うばかりです。
今日は感傷に浸りつつ、長々と書いてしまいましたね。失敬。

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