「弁護士ドラマ」急増から見えてくる、今どきの社会構造への不可思議さと間違った時代構築への是否。


仕事が終わって朝帰りできた…と思いきや、朝から東京へ。
所用が色々と重なったため、仙台へ向かう新幹線の中でブログ書いています。

私はあまりTVドラマを観る時間すらロクに取れない生活を送っていますが、ここ最近は特に弁護士系のドラマが乱立しているようですね。それも、一昔前のリーガルドラマにあった殺人とかの重すぎる展開ではなく、日常生活における身近なことまでを対応する案件が多いというか。

この数年の放送されたドラマの傾向を見ていると、ど根性系の肉体派な人材によるストーリー系のモノは取り上げられる感じがなくなりましたね。代わりに台頭してきているのが、インテリ系のホワイトカラー色全開の職種のストーリーが多い印象を受けます。

医者、弁護士、警察(所轄の巡査ではなく、そこそこ階級が上のキャリア組)など、高卒が主人公の話がほとんど登場しません。

この段階で、メディアがどういった層をターゲットに番組を制作しているのかも、そもそもこの国が今後どのような層を相手にしなくなっていくかも残念ながら察しがついてしまう…といったところでしょうか。不要な高学歴化の負の部分が見えてしまうというか。

今回の弁護士系乱立の件で読売新聞でコメントされている著名な方が、この内容に付随して興味深いコメントをされていますので、今日はその部分をご紹介します↓

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自分でコミュニケーションできない現代人

インターネットやSNSの普及に伴って、顔の見えない相手と日常的に接するようになった現状も見逃せません。会ったことがない人とも気軽に言葉を交わせるようになった反面、ちょっとしたコミュニケーションのズレで誤解を招いたり、心ない誹謗(ひぼう)中傷に悩まされたりするリスクが増えました。SNSを介したいじめも増えています。

ネット上の誤解は、反論や説明をしようにも相手が見えないだけに、うかつなことを言えばさらに批判や風評を広げかねないという不安や、炎上への恐怖感がつきまといます。本音をぶちまければ袋叩きにあい、うっかり口を滑らせれば揚げ足をとられてしまいます。

その結果、理不尽な世の中に疑問をぶつけるよりも、スルー(無視)してやり過ごそうとする人が増え、それがさらに事態を悪化させるケースも多くなりました。

徹底したスルーで内定辞退

コミュニケーションをスルーしようとする傾向は、昨今の就職活動にも表れています。内定辞退をスルーで意思表示する「サイレント辞退」や、企業側が不採用通知をスルーする「サイレントお祈り」が増えているのです。その状況はなんとも虚(むな)しいものです。

「サイレント辞退」を決め込んだ若者は、内定を出した企業が電話しても出ず、メールに返信せず、企業が諦めるまでひたすらスルーし続けるそうです。

一方、企業側の「サイレントお祈り」もドライな空気を象徴しています。これは企業が求人応募者への不採用通知をしないことで、事前に「〇月〇日までに連絡がなければご縁がなかったとご理解ください」との告知はされますが、以前のように「今回ご縁はありませんでしたが、貴殿のご活躍をお祈りします」といった連絡すらないため、「サイレントお祈り」と呼ばれています。

しかし、いつの時代も無視されるとかえって腹が立つというのが人情というものです。しかも相手が見えないだけに、怒りが増幅しかねません。

「自分の気持ちを代弁してくれる人がいたら助かる」
「直接言えば面倒なことになりかねない」

トラブルを解決したいのはもちろんですが、事態の悪化を防ぎ、面倒なことは避けたいと考える風潮もあります。そこで、「言いにくいこと」を代弁してくれる代理人を求める人が増えているのでしょう。

こうしたニーズに応えるように、さまざまな「代理人」が登場しています。

結婚相手を探すための仲介を行う「結婚相談所」や転職をサポートする「転職エージェント」は代理業として定着してきました。

損害保険会社もテレビCMで、「万が一のとき、あなたに代わって事故相手とお話しします」といい、代理人としてのサービスをPRしています。

最近では、「辞めます」と自ら言えない人のための「退職代行サービス」も登場しました。退職の意思を上司に言えないという人たちが、3万~5万円程度の手数料を払って退職の手続きを代行してもらっています。

今や、就職、結婚、転職、事故、退職といった人生の転機における大切なコミュニケーションに代理人をたてる時代なのです。言いにくいことや厄介ごとを、別の誰かに委ねてしまうのです。確かな法律の知識があり、過去の判例を熟知し、高度な交渉のスキルを兼ね備えた代理業のトップに位置するのが弁護士ということです。

勇気を振り絞って訪ねた弁護士事務所で、米倉涼子や常盤貴子、竹内結子のような女性が「私に任せなさい」と言ってくれたら、依頼人の目には“女神”に映るはずです。

男女のいさかいやご近所トラブル、相続や離婚の問題など、厄介ごとはいつの時代もあります。ところが、日々のコミュニケーションに悩む現代人にとって、自分ではどうしていいか分からないという事情があります。

最近の弁護士ドラマで繰り広げられる知的かつ戦略的なコミュニケーション術は、不満や愚痴を胸の中に押し込み、モヤモヤとしている視聴者の気持ちを見事に代弁してくれるのでしょう。

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サイレント辞退に関しては、ウチも被害を少なからず受けています(苦笑)。

先日は地元の国立大の女性がこれをやってくれましたね。応募してきておいて、連絡がつながらないという…年間でスタッフ応募者の約7割が、その後の連絡においてバックれ(サイレント辞退)をされています。

採用面接までまともに辿り着く方の方が、圧倒的に少なくなりました。むしろ面接に来るだけまともだし、採用辞退の連絡をしてきたら、それこそ「この人はしっかりしてる!」と言えてしまうぐらい(笑)。全然うれしくありませんが。たぶんどこの塾も似たような状態で人手不足になっているはずです。応募者のいい加減さというか。これまでにも地元の千葉大や早慶・MARCHクラスもバックれており、学歴の高い低いはあまり関係なさそうです。

辞退するにしても、相手に一報を入れるだけで相当印象が違うんですが、今の若者世代はそれができないみたいで…その拝見は大体想像がついていましたが、上記の記事にすべて書かれていたので、私も思わず納得してしまいました。確かにその通りですね。

結局は、自分がイヤな思いをしたくないが故に(自分が蒔いた種であるにもかかわらず)、そういう行動に出てしまう。でも、その尻拭いをするのは、周りの関係者たちです。

多くの人に迷惑がかかることを想像できず、その場限りの感情で、自分に都合の良い方を選択する…要は、自己中ということでしょう。ここにも過度の個人主義が出てくるんだなと。

一期一会という言葉の通り、人との関係は「礼に始まり、礼に終わる」というのが私や親世代の基本中の基本だったのが、時代が変わるにつれて確実に悪化していくのが見て取れます。そこには若者自身が叱られたことのない打たれ弱さや親の過保護な子育ても垣間見えます。

自分のケツは自分で拭く…それができない人間がどんどん増えていくことで、今後ますます代理人サービスも増えていくんでしょうが、これでは個人の都合の良さをますます助長するだけのような気がします。そこに他者への共感や思いやりを感じませんから。

そう考えると、ウチの塾は子どもたち自身もしっかりしてるし、親御さんもお子さんに筋を通させようとする方が多いことで救われているなと思います。

サイレントお祈りをする大企業も少なからずあることを私も聞いています。先を生きるオトナや企業がこのような杜撰な対応をするからこそ、若者の行動もミラーニューロンされていくわけで、結局はオトナが襟を正さなければ単なる若者批判で終わらせるんでしょうね。オトナが都合良すぎるんですから。若者にだけはまともになれ!という方が理不尽です。

ウチの塾は規律面と行動面には相当厳しいため、自分に都合の良い子はすぐに居場所をなくすか、良くなるために改善していくかのどちらかです。なので、自分にとことん甘い子は入塾面談で再び旅立たれます。

今どきの子に合わせて指導することは大切です。
ですが、時代が変われど、絶対に変えてはならない秩序や美徳を教えていくのも不可欠だと私は確信しています。

ご紹介した文章の最後の部分「日々のコミュニケーションに悩む現代人にとって、自分ではどうしていいか分からないという事情があります」という背景に沿ったドラマの内容であるとはいえ、これを自分の都合の良さを正当化する理由にはなりません。

特に、子どもには「都合良く生きる」ことを正当化させてしまうと、いずれ手のつけられない問題児になってしまいます。

あなたのお子さんには、どう伝えていきますか?



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