「性格が悪い子」は成績も伸びない、その根本的な理由とは何か?

ここまで20年以上子どもたちを見ていると、学力の高い子が全員まともな子とは限らないという面白いケースをたくさん目撃してきました。

すべてとは言いませんが、ある程度は学力と人間性は比例するものです。
なので、今日は東洋経済に掲載されていたある東大生が書いた記事をご紹介したいと思います。

お子さんの性格によっては、結構グサッとくる内容かもしれませんが、ぜひ読者の皆さんもお子さんの見極めに役立ててもらえれば幸いです(苦笑)。

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「勉強ができるかできないか、ということに性格なんて関係ないでしょう」「地頭とか、IQとか、勉強方法とか、そういう要因のほうが成績に直結するに決まっている」
そう考える人がほとんどでしょう。

でも、2浪して「頑張っても成績が上がらない」経験を誰よりもしてきた僕は、「成績が上がらないのは、やっぱり『性格』のせいだ」と思うのです。

これは僕だけの意見ではありません。浪人を経験したことのある東大などの有名大学の学生の多くが、自分が現役で合格できなかった理由を「性格がダメだったからだ」と答えています。
僕はこの質問を100人以上の浪人経験者にしてきましたが、実に6割以上の学生が「合格できなかったいちばんの要因」として「性格」をあげたのです。

「性格がダメだと志望校に合格できない」というのはどういうことなのか? 成績と性格に、どのような関係があるのか? 今日はそんなお話をさせてください。
たとえば、こんな東大生がいました。彼は現役時代に、先生から「そんな性格だったら東大に合格できないぞ」と言われ、結局東大に不合格になってしまった人です。

なぜ彼がそんなことを言われたのかというと、先生の言葉にほとんど耳を貸さなかったからだそうです。

残念な性格1:人のアドバイスに耳を傾けない

たとえば「英語を基礎から勉強するように」と言われても、「基礎の部分なんかいまさらやったって、成績は上がらないだろ」と反発する。「復習が疎かになっているから新しい参考書に手を出すのをやめなさい」と言われても「どんどん新しい参考書をやっていかないと東大には合格できないだろう」と無視する。勉強法について、先生からの意見をほとんど受け入れなかったそうです。
「自分のことは、自分がいちばんわかっている」「今の自分の勉強法が、自分にいちばん合っているんだ」と、成績がなかなか上がらなくても先生からの意見に耳を貸さずにいたところ、言われた言葉が「そんな性格だったら東大に合格できないぞ」だったそうです。

そしてその言葉どおり、彼はその年、東大に不合格になってしまいました。

残念な性格2:自分の欠点に向き合えない

またある東大生は、自分の悪い成績や欠点と向き合うことができなかったから、現役で東大に合格できなかったのだと語りました。

複数の模試を受けると、調子が良くてA判定を取れることもあれば、調子が悪くてD判定になってしまうこともあります。そんなとき、彼は「D判定のほうは、ケアレスミスが多かった」「自分の本当の実力はA判定だ」と言い聞かせて勉強を続けた結果、不合格になったのだとか。ちなみにD判定だった模試で間違えた分野が、なんと本番で出題されたのだそうです。

この2人と同じようなパターンで東大などの有名大学に不合格になってしまった人は、非常に多かったです。
自分の勉強法が正しいと信じて疑わず、先生の意見を聞き入れなかった例。悪い結果と向き合わず、自分にとって都合のいい結果だけを見て不合格になった例。苦手な単元を「まあここは出ないだろう」と軽視して不合格になった例。

結局誰も彼も、自分にとって都合の悪い情報や受け入れ難いことと向き合わなかったことが原因で、不合格になっていたのです。

そして、そうやって不合格になったほとんど全員が、僕にこう言うのです。
「自分が不合格になったのは、自分の性格が原因だ」と。

「もっと素直になるべきだった」「あのときの自分は謙虚じゃなかった」当時の自分を振り返り、彼ら彼女らはそんなふうに言います。
では、「成績が上がる性格」とは、どういうものなのでしょうか。

何よりも「謙虚さ」が大切だった

先生の教える勉強法はたしかに、その生徒に合っているものではないのかもしれない。でも、「合っていない」という保証だってありません。部分的にでも取り入れてみる価値はあったはずです。
D判定だったのは、本当に「ケアレスミス」のせいだったのかもしれません。でも、「ケアレスミス」だと決めつけないで、きちんと自分の失敗から学ぼうとすれば、もしかしたら自分の弱点克服につながったかもしれません。

どんなに受け入れ難いことでも、一度きちんとその意見を聞き、受け入れる。受け入れ難いことでも、一度は実践してみて、それから判断する。そういう、いい意味での「素直さ」「謙虚さ」が、彼ら彼女らには欠けていた。だから、不合格になってしまった。

すごく偉そうに語っていますが、僕はまさに、この「不合格になる性格」の典型でした。
学校の先生と「先生の言ってることは的外れだ!」と対立し、どんなに人から「こういうふうに勉強するべきだよ」と言われても受け入れなかった。まったく謙虚じゃなかった。なので自分の問題点にも気付けず、2回不合格になって、2浪しました。

でも、「謙虚であることの大切さ」に気がついて、一から自分を見つめ直したところ、見事東大に合格できました。当時の先生に「あのとき、生意気なこと言ってすいませんでした。謙虚じゃなかったです」と言ったところ、「それに気がついたから合格できたんだね」と言ってもらえました。

「ケアレスミス」の99%は実力の表れ

また、当時の僕は「ケアレスミス」という言葉を多用していました。何かにつけて「これは本調子じゃなかっただけだ」と間違いと向き合おうとしませんでした。
「ケアレスミス」という言葉を多用する受験生というのはけっこう多いですが、十中八九、本番でも同じように「ケアレスミス」をします。自信を持ってそう断言できます。

なぜなら、僕がそうだったからです。
「ケアレスミス」という言葉は、「そのときは不注意のせいで間違えてしまったけど、次に同じ問題が出たら多分正解できる、取るに足らないミス」という意味で使われますが、東大合格者の中で「ケアレスミス」という言葉を使う人はすごく少ないです。

というか、僕は今まで500人以上の東大生と話してきましたが、今まで一度も「ケアレスミス」という言葉を使う東大生に会ったことがありません。彼らにとって、「ケアレスミス」なんて存在しないのです。
間違ったのなら、なんらかの理由があるはず。時間が足りなくて不注意になってしまったのならもっと時間に余裕ができるように修正するべきですし、なんらかの知識をど忘れしていたのであればその単元を復習するべきです。

そうやって、自分のミスとしっかり向き合って、次に活かそうとする。だから彼ら彼女らは「ケアレスミス」という言葉は使わないのです。

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個性を伸ばす教育や、Only One的な思考が横行したためか、他人を思いやれない、気遣うことができないなど、人の「心」の痛みが分からない子があまりにも増えすぎた感があります。

その結果、男女関係なく「性格ブス」が増えたというか、自分至上主義がどんどん加速して、自身の非を絶対に認めない、他人のアドバイスは絶対に聞かない、自分が世界で一番正しいことをやっている…など、謙虚さのかけらもない若者がどんどん生産されているというのが、本質的な事柄ですかね。

己の非を認めない時点で、その先に伸びることはありません。そこからは、どんどん己の生きる世界を下げていくだけのこと。それもまた人生ですが…。

他人のアドバイスを素直に聞けない子ほど、大損の人生になってしまうことを、どれだけ早くお子さんに認識させられるか(プロスポーツの一流選手は、アドバイスの内容にこだわって判断しますが)で、お子さんの価値が決まると思います。そのために、親ができることはたくさんあるでしょうね。

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