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【2015年7月11日のブログです】
「ウチの家系は弁護士一家なので、この子にも弁護士になってもらわなきゃ困るんです!」
大手進学塾の校舎長時代、こんなことを言っているお母さんがいました。
面談でも周囲のアドバイスなど聞かず、すべてお母さんの独壇場。
となりに座っているお子さんは「弁護士になりたくない、他になりたい職業があるんだ!」と言い張っていますが、お母さんは一切聞く耳を持たず、全部一方的に撥ね付けました。
昭和の時代では、父親の戦場は職場であり、母親の戦場は家庭だったはずです。
母親にとっては、幸せな家庭を守るために、家事や育児に奔走していたわけです。
その母親が、一家の血筋を守りたい、ウチの家庭は周囲に自慢できるような家庭でありたい、世間から立派だと見てもらいたい…その気持ちは、分からなくもありません。
父親にとっての成果は、会社で昇進して社会的ステータスを高めること(出世ってヤツです)。母親の成果は、社会的評価が見えにくい分、子どもの教育でしか示せなかった時代背景があるのかもしれません。
現代は、女性の社会進出がどんどん加速し(それでもまだまだ社会的な制度が整備され尽くしているとは言い難いですが…)、女性は家庭にこもるという概念が薄れ、家事も育児も仕事も全部両立してやっていく時代になってきました。
これは、時代の流れ的に望ましいことだと、私は感じています。
そして、女性だけでなく、家族のライフスタイルが変化するにつれ、子どもの育て方や親子関係の在り方も変わってくるものです。
先述の弁護士一家のお母さんの考えは、残念ながら、時代錯誤の残念なケースです。
お母さんにとっての幸せを求めているのかもしれませんが、それによって、子どもの意志は抹殺され、死んだ目をしたやる気のないニート予備軍が完成するわけです。
このお母さんにとって、それが幸せなんでしょうね。
私には、これっぽっちも理解できませんし、する気もありませんが。
これは幸せでも何でもありません。単なるお母さんの激しいエゴが招いた自己満足であり、子どものやる気や生きがい、夢を潰して骨抜きにしてくれた「魂の殺人」だと、私は今でも思っています。
ある程度、家系の縛りはあるのかもしれません。
私は、そういった一族で育ってきたわけではないので、熟慮が足りないのかもしれません。
でも、子どもが成長して、未来の日本を構成する一員として社会に出ていく中で、親からすべてを否定されて愛情を注ぐわけでもなく、親の理想を実現する道具として、子どもを自分の思い通りに育ててきたお子さんは、当然モチベーションが上がるわけもなく、無気力状態で働いたところで、生産性を上げることは困難です。
若者の生産性が落ちるということは、日本という国の生産性の低下、要するに衰退していくということです。
これは、由々しき問題のはずです。
日韓関係が悪い、中東問題が悪い、TPP問題が大変、株式相場も問題大有り、オリンピックスタジアムの建設費が笑えない…などなどの問題を語る以前に、この国を築いていくはずの若者を無気力に育てていく親御さんの問題の方が、よっぽど根が深いと思います。
子どもだってなりたい職業があったとしても、素質や能力的になれないかもしれません。
でも、押さえつけずやりたいようにさせてみて、それで子ども自身が色々なことを悟り、納得して次のステップに進むなら、子どもは夢を失わず、気力を前面に押し出しながら、ポジティブに生きていくことができるはずです。
少なくとも、親のエゴが先行する子育てを、私は真っ向から糾弾します。
エゴのない人間などいません。子どもに対する理想は、誰にだってあります。
でも、それを自分の思うように動かないからと言って、子どもを全面的に否定して、自分の思い通りになるような道を歩ませようとする子育てなんて、絶対に間違っています!
色々な社会的制限はあるものの、自分のなりたいものになる!やりたいことをやる!
それが許させる今の時代です。武家社会のような、身分でどうにもならない時代ではありません。
以前のお母さんから延々と聞かされたことがあります。
「この国で生きていくには、学歴と職業選択は命なんです。校長、分かりますよね?」と。
お言葉を返すようですが、それに対する私の答えは1つです。
日本は生活面でも経済面でも恵まれている国です。欲を言ったらキリがないですよね。
「この国で生きていく、それだけでも十分幸せなことだと思いますよ」と。
日テレのドラマで「花咲舞が黙ってない」をよく観ているので、ヒロインの“お言葉を返すようですが…”を使っちゃいました(笑)
これを読んで下さるお父さんお母さんにお願いです。
お子さんの笑顔を奪うことだけは、絶対しないで下さい。
よろしくお願いします。