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千葉県の模試業者などが発表している公立中学生の県内私立高校進学率なんですが、県全体の平均では10%前後で推移しているようです。
都市部になればなるほど私立志向が強くなるわけですが、それでも千葉県No.2の都市である船橋市でも公立中学校からの私立高進学者は10%強くらいです。
一番私立高に進学する割合が高いのは、東京ネズミーランドとネズミーシー(愛着を込めた表現です笑)を抱える浦安市。所得層が高いというのもあるでしょうが、県内の公立高校行くよりもお隣りが東京都内ですから、都内の私立に行ってしまった方が早いですもんね。それでも80%前後は公立高校に進学している現状。
景気の回復するしないに関わらず、千葉県と言うのはやっぱり公立王国なんだなと改めて思わされます。
でも、ウチの塾の最寄りの公立中学校だけは、毎年なぜかこの法則が当てはまらないんですよね。私立単願の子が何故か毎年学年の30%くらいを占めているのがよく分かりません。浦安市の中学校も千葉県の平均値もビックリするしかない程、私立校信仰者の数がいるのでしょうか?(私立に行くのが悪いなんて一言も言ってませんので、勘違いなさらずに)
中にはクラブチームなどで素晴らしい結果を残して、私立強豪校にスカウトされて進学する子もいるでしょう。子ども自身が昔の強い憧れでこの高校に行きたいと言っている高校がたまたま私立だったというのもあるでしょう。
とはいえ、残念ながら「私立は学費が高いんだから、良い教育をしてくれるに決まってるじゃないかっ!」と思われている親御さんが異様に多いことを、なんと塾生の大半から聞かされます!
「ウチの親もそんなこと言ってた!」
「学校の懇親会で担任も私立に行った方がいいとか熱弁振るってた!」
「○○ちゃんのママ(ママ友のボス格)が絶対に私立は学費が高いからいい学校なんだって言い切ってた!」
などなど、この中学校だけの独特の保護者や先生の思想なのか、それとも全国的に親がそうなのか、よく分かりません。
西船橋って場所だけ特殊なの?
いやいや、そんなことはないでしょう。
にしても、塾生が通う船橋市内の他の中学校や市川市内の中学校は、こんなに私立希望者がいないみたいなので、やっぱりこの中学校だけ変なのかもとか勝手に思っています(笑)
我が子の将来を思って、より良い環境で教育を受けさせたい…その通りです。
その考えに、異論も何もありません。
でも、落とし穴が1つあります。
大半の私立高校は、本当に子どもたちをよくするために日々の指導に邁進していると思いますが、一部そんなの関係ねーって私立高校があるのも事実です。
公立高校と私立高校の学費の差は大きいので一概に言えませんが、その差額がお子さんの成長のための指導に使われてる保証はありません。だって、学校経営も商売ですから(笑)
以前、ウチに通う私立高校生が言っていました。
進路指導の先生と話したときのことです。
「先生、○○大学に行きたいんですけど、どうしたらいいんでしょうか?」
「それなら、予備校に行きなさい!後は、勉強しなさい」
で、終わったそうです(笑)
特にそれ以上の指導もフォローも情報提供もなく終了(笑)
こういった学校に共通しているのは、生徒集めをするために受験料収入や在学生の学費をボンボン新校舎建築や新グランド開設、新制服導入などに使ってる点でしょうか(もちろん、すべての学校がこんなわけありません)。
それと、中には中学生対象の学校説明会で「ウチの高校に入学すればきっちり勉強させるから、予備校などに行く必要はない!」と言ってるのに、なんと学校の進路指導室には各予備校のパンフレットがズラリと並んでいるわけです(笑)
ウチの大学生スタッフも偏差値で言えば70を超える県内の難関私立高出身者が多いのですが、そんな難関校で特進クラスに在籍していたのに、クラスの大半が予備校に通っていたという現実。
私立に行けば学費も高いし、面倒見もいいから、もう塾や予備校に行かなくても大丈夫!
そう言ってあげたいけど、現代社会ではまだまだ難しいようです。
結局、私立に進学しても、お子さん次第で塾や予備校が登場するので、教育費は何倍にも膨れ上がり、家計を圧迫する大きな要因にもなってしまっています。その結果、夫婦間でケンカになり、離婚まで発展したケースを私もこれまで2件見てしまいました。哀しいものです。
とにもかくにも受験料収入と延納金をガッツリ取るため、中学生から人気が出るような高校にしなきゃいけないので、ハード面(設備など物理的な側面)に力を注ぐわけです。もちろん、それは全然オッケーなことで、ハード面の充実があって学業が救われることもたくさんあります。
ところが、高い授業料を払って、本当に何もしてくれないマスプロ型の私立高校を、私もこれまでいくつも見てきてしまったので、何だかな~と思ってしまうわけです。
「私立は学費が高いんだから、良い教育をしてくれるに決まってる!」
残念ながら、本当にこの考えだけでお子さんを私立に入れようとするなら、それは思慮が欠落していると思います。本当にお子さんのことを想うのであれば、お子さんとじっくり話をしてもらい、お子さんの意志や適性も尊重した上で、親子共々納得できる学校選びをしてほしいものです。
ちなみに、さっき進路指導室で冷たくあしらわれた塾生、最後はこう締めくくりました。
「こんな学校だったら、フツーに公立行ってれば良かった。私立行くんなら、もっと考えて調べるべきだった。まぁ、自分が全部悪いから今さら言っても仕方ないんだけど…」
世の大半の私立高校は、経営だけでなく、子どもたちの将来や成長を考えて日々指導に励んでいると信じたいものです。私のような裏側を知って幻滅してしまう学校だけはつくらないでほしい…そう願っています。たぶん、私だけではないはずですが。