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【2016年6月16日の投稿です】
都知事の進退問題の一件は連日ニュースで流されているので、もはや見飽きましたが、やはり時代に違和感を感じずにられません。
こんなことを言うと、都知事に味方するのか!?みたいに言われて私まで非難を浴びそうですが、別に都知事の一連の騒動を私も擁護するつもりはありません。
それにしても、辞めろ辞めろコールが凄かったですね。
マスコミも国民も一斉に大バッシング。都知事の「第三者」なんて弁解があったから余計に火に油を注ぐことになり、どんなに知事の椅子を固辞しようとしても、結局辞表を出さざるを得ない展開に。
都知事も問題大有りでしょうけど、それを一斉に叩いて叩いて止まらない大多数の皆様は、果たして正しいのか?と、私は個人的に思います。
知事の重責は決して庶民レベルではないと思いますが、今回の件は、この問題をよく分かってない表面的なことしか知らない方まで、マスコミや世論に煽られて一方的に叩いている印象を受けました。
特にバカげているのが、マスコミのくだらなさです。
情報操作や印象操作など、売上や視聴率のためなら日常茶飯事。聡明で公平性のある報道など全然なされず、今度は「次に都知事になるなら誰が良いか?」という通行人への一方的なインタビューで世論を操作しようとする。
維新の橋下氏、元宮崎県知事の東国原氏、そしてついには嵐の桜井 翔さんのお父さん(総務省の超お偉いさん)などがいいねぇ~と通行人に発言させて、いかにもそれが世論のすべてだと報道する。自分たちの思い通りに現実を動かそうとする…気持ち悪いです(ちなみに、この方々は立候補することはあり得ないと本人たちが言い切っています笑)。マスコミは、エゴ丸出し集団ですか?
ここ最近の日本は「一発レッド社会」と呼ばれているそうです。
何か問題があればレッドカードをいきなり食らわされ、再起不能にさせられる恐怖社会のことを「一発レッド社会」と呼ぶようになり、ちょっとしたミスが命取りになります。ミスによって生じた小さな傷口を、集団が思いっきり開いて再起不能にしてしまう。中には、意図的にミスを見つけて炎上させる輩もいます。
日本はもはや、“炎上” だらけの怖い社会になってしまったわけです。
滋賀大学の秋元 祥治 准教授は「一億総集団暴行」と命名したぐらいです。
この国は暴力はやめようと言ってる割には、世論での集団リンチは合法になっているんですね。本当に生きづらい国になってしまった感が拭えません。
だから、ヘタは失敗できないし、リスクが大きすぎるためしたくない。(都知事の問題は「失敗」ではなく「犯罪」だから違うと主張される方も多いわけで)
アメリカとかは、失敗に寛容な社会です。
失敗して学ぶことはたくさんあり、何度でも再起して成功することができます。
日本は、失敗した者にはとことん冷たいですよね。
人々の心にゆとりがない証拠なのか、国際競争の中で勝ち上がるためには毎回毎回、絶対に負けが許されないという価値観が根付いてしまったからなのか。
ビジネスでも同じように失敗が許されないため、企業戦士のお父さんたちはストレスを溜めながら家族のために頑張っている方も多いかと思います。そして、失敗を許さないという風潮は、残念ながら、子育ての現場にも確実に降りかかってきています。
これまで多くのお母さん方を見てきましたが、最近異常に増えたのが「子どもに挫折経験をさせずに、箱入りで育てようとする母親」です。
恐らくは、子育ての失敗をしたくないのでしょう。
子どもがグレたりでもしたら、旦那さんや姑や親族から一斉集中砲火を浴びる可能性もあるんでしょうし、何よりも我が子の育て方に絶対成功したいと思ってるところが大きいんだと思います。
その結果、10年前に比べて、明らかに打たれ弱い子が増えました。
精神的にひ弱で、困難を乗り越える前に潰れてしまう。
しかし、我が子が潰れるものなら、お母さんが相手や環境のせいとばかり息巻いて怒号で乗り込んでくる。そんなひ弱に育ててしまった自分を振り返れないどころか、自分は一切悪くないと一方的に主張し、周囲を困らせる。
「失敗」を極度に恐れ、謙虚さがないまま、自らの正当性を絶対主張する。
これは、世の親御さんの「心」に余裕がなくなったことの現れです。
子どもなんて、失敗を繰り返すことで精神的にもタフになり、コツを掴むことで改良を重ねて成長していくものです。そういった子育てをせずに、すべて成功体験だけで固めて自信をつけさせようとすること自体、ムリがあります。
子どもだけでなく、大人だって、失敗を繰り返すことで成長するもの。
失敗をいちいち糾弾していたら、みんなチャレンジなんかしなくなります。失敗する度に毎回処罰されて左遷されていたら、みんな無気力に陥りますよ。(都知事の件は、私には失敗と呼べるかは判断できません)
その結果、テクノロジーの進化はどんどん鈍化し、海外諸国に抜かれる一方。
そして、輸出関係でも大きな損害を被り、経済はどんどん悪くなるだけです。
中には、大人の失敗には、許されないものもあるかもしれません。
でも、子どもの失敗に寛容な社会でなければ、次の次第を生きる若者は先人たちの規律を押しつけられるの生き方を強いられて、夢も希望も失います。
そんな生きづらい社会にしてしまったのは、間違いなく大人である私たちです。
だからこそ、子どもたちを「強く」幸せな人生を歩めるようにするために、私たち大人がそういった環境を整えていかなきゃいけないんだと強く思います。
今回の都知事の一件で、色々と考えさせられました。
私は政治のプロではないので、「失敗」なのか「犯罪」なのかの言及は遠慮させてもらいますが。