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最近になって、ある年配塾長から以前散々された説教を思い出すようになりました。
「おまえは、自分の正義感を周りに押し付け過ぎだ!」
「だから、周りの人がおまえについていけず、結局去っていくんじゃないか!」
「人間はそんなに強い生き物じゃないし、ましてや、おまえみたいに激しい生き方でタフに勝ち上がってきた奴ばかりじゃない。ただでさえ威圧感のあるおまえが正論を押し付けたら、みんな潰れて当たり前だ!」
私はホームレスまで堕ちて、何もかも失った中から這い上がってきたという自負を、今でも持っています。(それをエゴと呼ぶかどうかは、人それぞれでしょうが)
そして、周囲から叩かれても叩かれても、まともに食べるものすらない中で、公園の水道水どころか泥水すすっても、いつかきっとチャンスが来ると信じて、目をギラつかせながら機会を伺い、いくつもの修羅場を経て、再び自分で塾を持てるまで戦い抜いてきたという経験から、その中で痛感してきた生き方が「精神的に強い子を育てる、勝つためのマインドを持ったタフな子を育てる」というものでした。
ですが、ここまで塾を長年してきて、やはり離れていった子もたくさんいます。
宿題が多いからイヤだ、塾長が厳しいからイヤだ、こんなに勉強しなきゃいけないからイヤだ…などなど、挙げるとキリがありません。
簡潔にまとめるなら「叱られ慣れしてない、打たれ弱い、自分に都合のいい子」です。
私は、そういった子たちに、「幸せをつかむために必要なモノは、強さである」というのをマインドセットしてきましたが、やはりついていけない子も多々いたわけです。その反面、強くなろうとする子もたくさん出てきたのも、また面白いなぁと思います。
先ほどの年配塾長からの “自分の正義感を押し付け過ぎ” というのは、確かに当たっていると思います。私も子供によってスタンスを変えていかなきゃいけないな…と最近よく思うようになりました。
と同時に、そこで自分の正義感を曲げて塾生に迎合するようなことがあれば、それはAQURASではなくなるわけです。
子どもによって幸せの定義は全然違います。もちろん、親もです。
いろんな幸せの形があっていい。そのためにスタンスは変えていかなきゃと思います。
自分に甘い子をいちいち切り捨てていたら、それこそキリがありません。
そういった子も、立派に、どこに出しても恥ずかしくない子に育てるのも私の仕事です。
しかし、私自身の信念を曲げたり妥協するようなことがあれば、それは心から強くなりたいと願う塾生や、強く育てたいという親御さんの期待を裏切ることになってしまいます。
人間みんな強いわけじゃありません。私も弱かったです。
でも、強くならなきゃ、私はここまで生きてこれなかった。
人に騙されて、裏切られて、みにくい法廷闘争に繰り返し巻き込まれて、最後は借金まみれでどん底に落ちて、そんな中でも必死に生きようともがいている中で、多くの経験値を積んで、生きるための強さを実戦で身につけてきただけのことです。
そんなズタボロのひどい生き方は、大学で学んだ知識とは比較にならないくらい、生きるための術を私に教えてくれました。だから、ちょっとやそっとのことでは、潰れないんです。
でも、それを子どもたちに真っ向から押し付けることはしませんし、する気もないです。
だって、それぞれの苦労のレベルは違うので、比較にもならないからです。
甘えたまま大人になっても、それはそれで人生ですし、それはそれで幸せかもしれない。
都合のいい考えをして他力本願な人生も、それはそれで、人によっては正解かもしれない。
私は、そうは思わないだけです。
だから、幸せな人生を手に入れるために、子どものうちから「強さ」を身につけるべきだと、私は信じています。
後は、時代の流れの中で、人の接し方に対するスタンスも変わるかもしれない。
でも、根っこの部分はいつまでも変わらないでしょう。
どんなにしんどくても、ツラくても、困難な生き方でも、不幸はずっと続くわけじゃない。
そして、幸せは他人を動かすのではなく、自分の手でつかみ取れるものだということ。
そのために、今は精神的強さ、肉体的強さ、学力的強さをきっちり身につけること。
そうすれば、それはいずれ「経済的強さ」に跳ね返ってきますから。
愛する家族や、守りたい大切な誰かのために、その強さを活かしてほしいものです。