承認欲求が強い自慢が多い子、自己主張がエスカレートする原因は親の褒め方なの?

承認欲求が強い自慢が多い子、自己主張がエスカレートする原因は親の褒め方なの?

今日は時間がとれないため、学力再生工房AQURASの塾長村上が読者の皆さんに役立ちそうな記事の内容をご紹介します。

そして、これは私自身もほとんど見解は同じです。自己肯定感の低い子ばかりがクローズアップされがちですが、その反対の世の中やオトナをナメてる子や自意識過剰な子が増えている現実も目を向けてほしいものがあります。

以下、文面です。
少し長いですが、お時間のある方はご一読下さい↓

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小さい子どもは、いつだって大人に褒めてもらいたいもの。みなさんの中にも、「いい子だね」と褒めてもらうために難しいことにもチャレンジするお子さんの姿を見ては、微笑ましい気持ちになっている人も多いのでは?

しかし時に、「○○ちゃんのママ、わたし◯○ちゃんより上手にできるよ!」と、お友だちと比べて自分のほうが優秀だとアピールする子や、どんな話題でも強引に自分の自慢話に持っていこうとする子に対して、どのように反応すべきか悩むこともありますよね。もしくは、わが子が自慢ばかりすることに悩みを抱えている親御さんもいるかもしれません。

そこで今回は、自慢話ばかりする子どもについて、その心理メカニズムと対処法を考えていきましょう。

子どもの自慢話に深い意味はない!

そもそも子どもが話す内容について、いちいち深読みしたり、「どういうつもりでこんなことを言うのかな?」と気に病んだりすることはあまりないでしょう。大人同士の会話では、謙遜やお世辞、駆け引きなどが複雑に絡み合いがちですが、子どもは思ったことをそのまま言葉にすることが多いからです。

したがって、「たくさんおもちゃ買ってもらったんだ~!」「○○ちゃんよりもピアノ上手に弾けるよ!」「クラスで一番サッカーがうまいんだ!」などは、子どもならではの素直な発言。ほとんどのお子さんは、大なり小なり気軽に自慢話をしているはずです。

教育評論家の親野智可等先生によると、小さな子どもは、嬉しい気持ちと自慢の区別がつかないといいます。たとえば大人の世界では鼻持ちならない自慢に見えるものも、小さな子どもにとっては必ずしもそうとは限らないとのこと。子どもがその瞬間に感じた嬉しい気持ちや、「自分にもできる。やってみたい」という気持ちのストレートな表現に過ぎないこともあるため、あまり深刻に受け止める必要はありません。

自慢する子としない子、その違いとは

とはいえ、自慢話ばかりしている印象がある子がいる一方で、どんなに優れた能力をもっていても、またどんなに努力をしていても、他人にはいっさい自慢することがない子もいます。その違いはどこから生まれるのでしょうか。

誰もが持つ “承認欲求”。どうして人より強くなるの?

そもそも “自慢” は、「自分を他人に認められたい」「高い評価を得たい」という『承認欲求』に起因しています。承認欲求は、心理学者アブラハム・マズローが定義している “人間の根源的な5つの欲求” のうちひとつ。程度の差はありますが、誰もが持ち合わせているものなのです。ただし、あまりにも承認欲求が強いのは困りものですよね。

精神科医の熊代亨先生によると、承認欲求の強さ・弱さは、ほかの部分が満たされることで違いが出てくるそう。たとえば、ある集団に所属して生活したい「所属欲求」は、その最たるものです。

「所属欲求」が満たされるのは、家族や仲間など所属しているコミュニティに恵まれているとき。周りの人たちとの関係性がうまくいっていれば、わざわざ褒められたり認められたりしなくても満足できるというわけです。

逆に、家や学校、習いごとなどでの人間関係において、自分の居場所がないと感じていたり、うまくコミュニケーションがとれずに孤立していたりすると、承認欲求はより強くなっていきます。

親の褒め方が子どもの承認欲求を左右する!?

子どもに対する親の接し方にも注意が必要です。『ほめると子どもはダメになる』(新潮社)の著者で心理学博士の榎本博明先生によると、褒められて当たり前の環境にいると「つねに自分を認めて」「何かしたら褒めて」という気持ちが高まってしまうそう。

そうなってしまうと、家庭の外でも褒められないと動かない」「気分が乗らないとすねるなどの言動が目立つようになります。すると、ちょっとしたことでも大げさに自慢して、相手に褒めてもらおうと必死になるというわけです。

ですので、日常的に “褒められること” に慣れてしまわないように、何でもかんでも褒めるのではなく、子どもが本当にがんばったことや努力したことを褒めるように心がけましょう。

承認欲求を満たすことが第一歩

わが子の自慢話が目に余ると感じている親御さんは、「うちの子、この調子だと友だちから嫌われちゃうかも……」と不安を募らせているのではないでしょうか。

まずは受け止める

親野先生は「このままでは嫌われるから直そう」という気持ちを優先して、冷たい反応をしたり叱ったりしないことが大切だと述べています。まずは子どもの気持ちを受け入れて、共感してあげること。すると子どもは、「自分の気持ちを受け入れてくれている」と安心感と自信を得ることができます。

親野先生によると、小さいときはストレートに表現していた子も、成長するにつれて相手の気持ちを考えながら上手に表現できるようになるといいます。そしてそれは、親に受け入れてもらえてきた子ほど、上手にできるようになるのです。

逆に、叱られたり否定されたりして親に受け入れてもらえなかった子は、なかなか上手に表現できるようになりません。なぜなら自分にもできるということを絶対にわかってもらいたい。強く言わないとわかってもらえないという気持ちが強烈にはたらき、より自己主張がエスカレートしてしまうからです。

だからこそ、まず優先すべきは「子どもの気持ちを受け入れること」。そのうえで、次のことに注意しましょう。

他者と比較して褒めるのはNG

お子さんを褒めるとき、お友だちや兄弟など、ほかの誰かと比較して褒めていませんか? たとえばお兄ちゃんはできなかったのに、あなたはできてすごいね!」「△△ちゃんより上手だったよ」「□□くんに負けないでえらかったねなどです。

榎本先生は、「親が優越感にひたるために、他の子と比べて自分の子を持ち上げるような褒め方をしていたら要注意です」と警告しています。

なぜなら、比較意識が強くなり、他人へのねたみや敵対心が生まれてしまうから。たとえそのときは勝っていても、そのうち追い越される時期が訪れるかもしれないこと、そして得意だと思っていたものがなくなると、より大きいダメージを負ってしまうことーー。私たち大人も、これらをきちんと理解しておかなければならないでしょう。

ですので、わが子を褒めるときは、人と比べるのではなく本人の成長を褒めるように意識してください。「前はここまでだったのに、こんなにできるようになったねというように、子どもなりの成長の過程を評価してあげるといいでしょう。

子どもの存在そのものを認める

一般社団法人 子育て心理学.協会代表理事の東ちひろさんは、子どもが自慢ばかりすることに悩んでいる保護者に向けて、「特別になにかができていなくても、子どもの存在そのものを認めてあげましょう」とアドバイスしています。

たとえば、今日のカバン、重そうね」「今日は青いお洋服にしたのね」「手を洗ってうがいもしたのねのように、目に見えたことをそのまま言葉にしてみるといいそうです。「え!? そんなことでもいいの?」と不思議に感じるかもしれませんが、これらの言葉は子どものことをよく見ていないと言えません。

子どもが自慢するときは、どこかに「自分の存在を認めてほしい」という気持ちが隠されているので、当たり前だと思えるようなことでもその都度言葉にして伝えてあげることが大事なのです。一見たいしたことない日常の些細な声かけも、それを積み重ねることによって、子どもは自分の存在に自信を持てるようになります。

自慢 “される” 側の悩み

最後に、わが子がお友だちから自慢ばかりされて落ち込んでいるときの対処法を考えていきます。持ち物の自慢、成績の自慢など、些細なことでも大げさに自慢するタイプの子どもはいますが、普段仲良くしているお友だちがいつも自慢話ばかりをしていたら疲れてしまいますよね。

そもそも、お友だちの自慢話に影響を受けて気分が落ち込むような子どもは、とても感受性が豊かで人の気持ちや周りの状況をよく見ている子。相手の話をいちいち真剣に聞き、それに対してきちんと応えなければいけないと思うからこそ、疲れて落ち込んでしまうのです。

親野先生によると、「こういう子はストレスを溜め込む傾向があるので、家ではリラックスできるようにしてあげましょう。そして、たくさん話を聞いてやることが大切です」とのこと。

また、いろいろな体験をさせてあげたり、得意なことを褒めてあげたりすると、子どもの自信につながりたくましい心が育まれていきます。学校や習い事以外でも、地域の活動やワークショップ、子どもだけで参加するキャンプなど、人間関係を広げることで「私を受け入れてくれる場所はたくさんある」という心の余裕につながります。

そして、できればイヤなことはイヤだとはっきり言えるように導いてあげることも大切です。お友だちの自慢話に直接「NO!」を突きつけるのではなく、さりげなく話題を変えたり、聞き流したりすることも、遠回しではありますが「NO」の表現です。

『はっきり「NO!」と言える子に』(PHP研究所)の著者で臨床心理士の植松紀子先生は、「『NO』が言えない子は、相手を恐れている場合と、相手の気持ちを気づかっている場合があります。子どもは子どもなりに、その場の空気を読んでいます」と述べています。

ですから、親御さんからはイヤだな、と思ったら、正直に『イヤ』と言っていいんだよと言葉で伝えてあげましょう。そして普段から家庭の中でも、自分の意思をはっきりと表現できるように練習するといいかもしれませんね。

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大人の自慢話とは違い、子どもの自慢話は大げさな表現による「ただの報告」である場合も多く、あまり深読みする必要はありません。ただし、あまりにもしつこい場合や、特定の相手にだけ自慢を繰り返す場合は、承認欲求が満たされていないということも。家庭での会話の内容や、子どもへの接し方について、今一度考えるきっかけにもなるはずです。

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