中高一貫校で成績下位に沈んだ子は、なぜ浮上できなくなるのか? ~「深海魚」から抜け出すために親が知っておきたいこと~

親からの『勉強しなさい!』を終わらせる戦略的学習塾:戦略設計学習塾AQURASの村上です。

お子さんの自走力を高めて、親御さんの見守る姿勢を大事にすれば、必然的に学力も優等生の仲間入りを果たしていくという考えで塾生たちの指導に励んでいます。

取り上げられたテレビ朝日系ネットチャンネル「Abema Prime」で“価値観が古い!”と出演されたギャルにディスられて、カンニング竹山さんにフォローしてもらったという、日本全国でも相当珍しい希少価値な塾長やっています(爆)。

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中学受験を終え、念願だった中高一貫校へ進学した…あれだけ頑張ったのだから、ここから先は少し安心できる。。。

そう思っていたはずなのに、入学してしばらくすると成績が下がり始める…。

最初は真ん中あたりだった…。

それが、下位3割になり、気がつけば学年下位。

補習に呼ばれるようになり、定期テストのたびに親子で重たい空気になる。

中高一貫校では、こうした状態を俗に「深海魚」と表現することがあります。

私自身は、この言葉自体をあまり好んでいるわけではありません。

それは、子ども自身に能力がないかのように聞こえてしまうからです。

でも実際に中高一貫校の子たちを長く見ていると、一度下位に沈んだまま、なかなか抜け出せなくなる子がいるのも、また事実です。

そして、ここで知っておいてほしいことがあります。

その状態は、単純に「本人が怠けているから」起きているとは限らないんです。

むしろ、いくつかの原因が重なっているケースが非常に多いんですよね。



中学受験で「全部使い切ってしまう」子がいる

最初に多いのが、中学合格がゴールになってしまったケースです。

小4、小5、小6と塾に通い、大量の宿題をこなし、模試を受け、偏差値に一喜一憂し、親子で何年も走り続ける…。

そして第一志望、あるいはそれに近い学校へ合格する…当然、子ども本人にとっては大きな達成感があります。

ですが、その瞬間、今まで走るために必要だった目標がなくなります。

「次は何を目指すのか?」が本人の中にないまま、中学校生活が始まるわけです。

中学受験まで「合格するために勉強する」という非常に分かりやすい目的があった子ほど、合格後に空白ができることがよく起こります。

ここで、勉強へのエネルギーが一気に落ちる…これを、単なる「やる気不足」と片づけない方がいいと思っています。

中高一貫校は、一度遅れると追いつきにくい

もうひとつ大きいのが、授業進度です。

中高一貫校は、公立中学校とはかなり違う速度で授業が進みます。

学校によっては、中学3年生になる前に高校内容へ入ることもあります。

数学も英語も「分からないところが少しある」程度ならまだいいんです。

ところが、その少しを放置している間に次へ進む。さらに次へ進む…すると、今習っている内容が分からない原因が、実は半年前、1年前にある…という状態になります。

本人は今の単元を勉強しているつもりでも、土台が抜けているので理解できない。

そこで、さらに成績が下がる…これを繰り返していくと、本人もだんだん「何が分からないのかすら分からない」状態になってしまいます。

ここまで来ると、単に勉強時間を増やせばいいで済む話ではありません。



中学受験時代に「自分で勉強していなかった」ケース

そして、ここがかなり重要だと思っているんですが、中学受験時代、勉強量は多かった。成績も悪くなかった…でも、自分で勉強を組み立てる経験をほとんどしていなかった…こういう子がいます。

塾から宿題が出る。

親が進捗を確認する。

今日はこれをやりなさいと言われる。

模試の予定も、復習するページも、次に何をするかも、全部オトナが決めてくれる…。

小学生ですから、それ自体が悪いわけではありません。

問題は、中学生になった瞬間、突然「自分でやりなさい!」に切り替わることです。

当然、うまくいかない子も出ます。

何を優先すればいいのか?

いつテスト勉強を始めればいいのか?

分からない問題をどう処理すればいいのか?

宿題と復習をどう両立するのか?

子ども本人は経験したことがない…なのに、周囲からは「もう中学生なんだから自分でやりなさい!」と言われる…これは、なかなか厳しいものがあります。

成績が落ちたとき、親が一番やってはいけないこと

子どもの成績が下がれば、親は不安になります。これは当然のことです。

中学受験にあれだけ時間もお金も使った。

せっかくこの学校へ入った。

なのに、学年下位…、テストは平均点以下…。

このままで大学受験はどうなるのか…?

焦らない方が難しいでしょうが、残念ながら、この焦りからとにかく勉強量を追加する方向へ行くと、かえって状況を悪くすることが多々出てきます。

成績が落ちた ⇒ だから塾へ入れる ⇒ それでも上がらない ⇒ だから個別指導も追加する ⇒ 参考書も増やす⇒ 課題も増える…本人は学校の宿題すら消化できていないのに、さらに塾の宿題まで抱える…。

すると何が起きるか?

勉強量は増えたのに、ひとつひとつが全部中途半端で終わります。

これは、穴の空いたバケツに、さらに大量の水を注いでいるようなものです。

必要なのは、水を増やすことではありません。

まず、抜けている穴を探すことなんです。

「なぜできないの?」ではなく「どこから崩れたのか」

成績が下がっている子を見るとき、私はまず、今の点数そのものより、どこから崩れ始めたのかを見ます。

英語なら、単語なのか。文法なのか。英文構造なのか。そもそも中1内容なのか?

数学なら、今習っている二次関数が問題なのではなく、実は一次関数や方程式の理解が曖昧なのかもしれない。

ここを特定しないまま「次のテストで頑張ろう」と言ってもなかなか改善しません。

なので、立て直すときに必要なのは、前へ進むことより、一度後ろを見ることです。

浮上する第一歩は「現在地」を正確に見ること

成績が下がった子を立て直すとき、まず必要なのは、現実を見ることです。

それは、責めるためではありません。

「どうしてこんな点数なの?」「今まで何をしていたの?」ではなく、今どこまで理解できているのか。

何ならできるのか。どこから分からなくなったのか。勉強時間は足りないのか。

それとも、勉強しているのにやり方が悪いのか…まず状況を分解します。

ここを曖昧にしたまま、精神論で「もっと頑張れ」と言っても意味がありません。



二つ目は「戻る勇気」を持つこと

中高一貫校の子ほど、前へ進まなければならないという焦りがあります。

学校の授業はどんどん進んでいくわけで、だからこそ、遅れているのに、さらに先を勉強しようとする…。

でも、土台が崩れているのであれば、私は必ずお子さんをもとの状態に復活させます。

場合によっては、中2の生徒を中1内容まで戻すこともあります。

高校生を中学英語まで戻すことだってあります。

これは後退ではなく、浮上するための準備です。

分からない場所まで戻って、そこで「これは分かる」という感覚をもう一度作る。

その小さな成功体験が、次へ進む力になります。

三つ目は「自分で立て直せる子」にすること

そして最終的に一番大切なのは、成績を上げることだけではありません。

次に崩れたとき、自分で立て直せる子にすることです。

今週は何をするのか?

どこまで進めるのか?

予定より遅れたらどうするのか?

テスト結果を見て何を修正するのか?

これを全部オトナが決めてしまえば、一時的に点数が上がっても、また同じことが起きます。

なので、親も塾も、いつまでも本人を引っ張り続けるのではなく、徐々に本人へ判断を返していかなければならないと考えます。

私はこれを、単なる勉強法ではなく、自立の練習であると思っています。

親は「監督」になりすぎない

成績が悪いと、どうしても親は管理したくなります。

今日何をやったの?

宿題は終わったの?

テスト勉強したの?

何時から勉強するの?

そのお気持ちはよく分かりますが、でも、中学生や高校生になると、監視が強くなるほど、子ども本人が逃げ始めるケースも少なからずあります。

必要なのは、全部を管理することではなく、本人が考える余地を残すことです。

「今回、どこが一番まずかったと思う?」

「次のテストでは何を変える?」

「今週は何を優先する?」

こういう問いを投げて、本人自身に考えさせる。

オトナが正解を全部言ってしまわない。ここはかなり重要です。



深く沈んだ経験は、将来の弱点だけにはならない

そもそも私としては、一度成績が大きく下がったこと自体、必ずしも悪い経験だとは思っていません。

もちろん本人は苦しいでしょうし、親も不安でしょう。

でも、そこで自分がなぜ崩れてしまったのかを知る…勉強方法を作り直す。少しずつ結果を出す。

そして、自分の力で浮上する…この経験ができた子は、かなり強くなりますよ。

大学受験でも、大学へ入ってからも、社会へ出てからも、人生は思い通りにいかないことがあります。

そのとき「一度沈んだけれど、自分で戻った経験」を持っていることは、大きな財産となります。

中学受験で頑張れた子の底力が、消えたわけではない

もし今、中高一貫校へ入ったあとに成績が低迷して「中学受験の頃とは別人になってしまった」と感じている親御さんがいるなら、ぜひこう考えてほしいかなと思います。

その子の底力が、突然なくなったわけではありません。

中学受験で、あれだけの勉強を続けられた…その力は残っています。

ですが、今の環境に合った勉強の仕方へ、まだ切り替えられていないだけかもしれません。

必要なのは、もっと強く引っ張ることではなく、一度立ち止まって、どこから立て直すのかを考えることです。

そして最終的には、親や塾に引き上げてもらうのではなく、お子さんが自分の力で水面まで戻ってくる。

そこまでできて初めて、本当の意味で、浮上したと言えると思っています。

ウチの塾が中高一貫校生を見るときも、目先の定期テストの点数だけを追うのではなく、

「この子が、自分で立て直せるようになるには何が必要か」というところまで考えます。

一度沈んだからといって、そこで6年間が決まるわけではありません。

むしろ、そこで自分の現在地を知り、学び方を作り直し、自分の力で浮上する経験ができれば、中学受験で得たものとはまた違った大きな成長につながるはずです。

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公立の中学校とは、かなり状況が違いますからね。

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