子どもの将来を変えるのは「偏差値」だけではない ~7,220万人のデータが示した“誰とつながるか”のチカラ~

親からの『勉強しなさい!』を終わらせる戦略的学習塾:戦略設計学習塾AQURASの村上です。

お子さんの自走力を高めて、親御さんの見守る姿勢を大事にすれば、必然的に学力も優等生の仲間入りを果たしていくという考えで塾生たちの指導に励んでいます。

取り上げられたテレビ朝日系ネットチャンネル「Abema Prime」で“価値観が古い!”と出演されたギャルにディスられて、カンニング竹山さんにフォローしてもらったという、日本全国でも相当珍しい希少価値な塾長やっています(爆)。

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興味深い研究の記事を読みました。

米ハーバード大学やスタンフォード大学などの研究チームが、Facebookユーザー約7220万人、実に210億件もの友人関係を分析した研究です。

研究テーマは「どんな人とのつながりが、将来の経済的な上昇につながるのか」というもの。

かなり大規模なデータです。

そして研究から見えてきたのが、低所得家庭で育った子どもであっても、比較的所得の高い層の人たちとの交流が多い環境で育った場合、成人後の所得が平均で約20%高くなるという結果でした。

もちろんこれは「裕福な友達を作れば必ず年収が20%上がる」という単純な話ではありません。

米国社会を対象にした研究ですし、統計上の関連が見つかったからといって、ひとりひとりの人生がそれだけで決まるわけでもありません。

それでも、一応私も(?)教育に携わっている人間として、この研究はかなり示唆的だと感じました。

それは、子どもの将来を左右するのは、勉強だけではないということを改めて考えさせられるからです。



「どれだけ勉強したか」だけで将来は決まらない

子どもの教育を考えるとき、どうしても私たちは、テストの点数、偏差値、学校名、大学名、資格…こういった「目に見えるもの」に意識を向けます。

もちろん学力は大切ですし、私自身、塾を運営している以上、学力の重要性を否定する気はありません。

ですが、学力さえ高くすれば、その子の将来の選択肢が自動的に広がるかというと、私はそうではないと思っています。

子どもというのは、自分が見たことのある世界の中から、将来を選ぶことが多いからです。

医師という仕事を身近で見たことがない。

起業家と話したことがない。

研究者と会ったことがない。

海外で働く人を知らない。

フリーランスも知らない。

地方で面白い仕事をしている人も知らない。

そうなると、そもそも「そんな生き方がある」ということすら分からない。

選択肢として認識できないものを、子どもは選びようがありません。

「誰を知っているか」で、世界の見え方は変わる

今回の研究で興味深いのは、単純に地域コミュニティの結びつきが強いとか、ボランティア活動が盛んだとか、そういうこと自体が強く所得上昇と結びついていたわけではない点です。

より強い関連が見られたのは、社会経済的に異なる層の人たちが、実際に友人関係を持っていること。

つまり「いつもの仲間と強くつながっている」だけではなく、自分とは違う世界にいる人とつながっていることだったわけです。

私はここが非常に重要だと思っていて、人間は、自分の周りにいる人から、知らず知らずのうちに「普通とは何か?」を学んでいます。

周囲のオトナが全員会社員なら、会社員になることが普通に見える。

周囲に大学へ行った人がほとんどいなければ、大学進学は特別なものに見えるかもしれません。

逆に、周囲に大学院へ進んだ人、事業を立ち上げた人、海外で働いた人、研究をしている人、社会課題を解決しようとしている人がいれば、それらもまた「自分にもあり得る未来」になります。

この差は、大きいのではないかなと。



環境とは「学校名」のことだけではない

親御さんと話していると「(わが子を)良い環境に入れたい」という言葉をよく聞きます。

そして、その「良い環境」が、偏差値の高い学校へ入ることと同義になっているケースも少なくありません。

でも、その環境というものを、もう少しワイドに考えた方がいいと思っています。

どんな先生と出会うか。

どんな友達と付き合うか。

どんな大人と話すか。

どんな場所へ行くか。

どんな仕事を見るか。

どんな価値観に触れるか。

こちらも全部、教育環境です。

場合によっては、学校の授業よりも、たったひとりのオトナとの出会いが、その子の人生を変えることすらあります。

「あんな仕事があるんだ」

「そんな生き方でもいいんだ」

「自分もやってみたい」

こういう瞬間が、子どもの中に新しい選択肢を創るのです。

親が与えられる最大の財産は「選択肢」なのかもしれない

親はどうしても、子どもに直接何かを与えようとします。

勉強させる。塾へ通わせる。習い事をさせる。資格を取らせる…もちろん、それも大切です。

ですが、もっと長い目で考えると、親が子どもに与えられる大きな財産のひとつは「こんな世界もある」と見せることなのかもしれません。

親自身とは違う仕事をしている人と会わせる。

学校以外のコミュニティへ出す。

地域外へ連れていく。

大学生と話させる。

経営者と話す。

専門職の人と話す。

地方で活動している人と話す。

外国人と交流する。

年齢も職業も違う人たちと接点を持たせる。

それだけでも、子どもの中にある「普通」の範囲は広がります。

そして、普通の範囲が広がれば、将来の選択肢も増えていきます。



ウチの塾が「勉強だけの塾」にしたくない理由

ウチの塾でも、単に成績を上げることだけを教育サービスのゴールにはしていません。

もちろん、塾ですから勉強はやりますし、成績も上げますし、受験もあります。

でも、それだけで終わってしまったら、私はもったいないと思います。

なので、大学受験でも、ただ偏差値だけを見て進路を決めるのではなく、

将来何をしたいのか。

どんな分野に興味があるのか。

社会にどんな問題があるのか。

自分なら何ができるのか。

そんなことまで考えさせます。

総合型選抜の指導で、高校生に学校外の活動へ挑戦させるのも同じです。

単に入試で有利になる実績を作りたいからではありません。

学校とは違う世界に触れさせたい…こちらの意味も大きいですね。

高校生が、経営者と話す。

地域の人と話す。

行政の人と関わる。

社会人へ提案する。

自分のアイデアを外部から評価してもらう。

そうすると、それまで学校の中だけで完結していた世界が、一気に広がります。

私は、この経験自体に大きな教育的価値があると考えています。

子どもの人間関係を「同じ属性」だけで固めない

今回の研究から、読者である親御さんの皆様にひとつ考えてもらいたいことがあります。

それは、子どもの世界が、似たような人たちだけで完結していないか?ということです。

同じ学校、同じ塾、同じ地域、同じような家庭環境…もちろん、そこに安心感があります。

ですが、ずっとそこだけにいると、世界の見え方も似通ってきます。

教育というものを「良い学校へ入れること」だけで考えるのではなく、いろいろな世界の人と出会える環境を創ることまで含めて考えてみてもいいのではないでしょうか。



「稼げるオトナになる」という話だけではない

今回の研究は、将来所得との関係を分析したものです。

ですが、私はこの話を、単純に「金持ちになるためには金持ちと付き合え」という結論にはしません。

大切なのは、自分とは違う世界に触れることで、人生の選択肢が増えるということです。

知らないものは選べません。

会ったことのない人の生き方は、なかなか自分の未来として想像できません。

なので、子どもたちには、できるだけ広い世界を見せた方がいいと思っています。

学校の外へ出す。

違う世代と話させる。

違う職業の人と会わせる。

違う地域へ行かせる。

違う価値観に触れさせる。

その中から「自分はこうなりたい!」というものを見つければいい。

偏差値や学校歴は、人生の選択肢を増やすためのひとつの道具です。

でも、人生を広げるのは、それだけではないですよね。

誰と出会ったか。

どんな世界を見たか。

どんな価値観に触れたか。

こうしたものもまた、子どもの将来をつくっていきます。

7220万人、210億件という巨大な人間関係のデータが示した結果を見ながら、教育とは、知識を与えることだけではなく、子どもが見る世界そのものを広げていくことなのだと、改めて感じた次第です。

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